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【連れ子虐待・自殺教唆事件】「24時間以内に自殺しろ」妻の連れ子を自殺に追い込んだ男

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育てられなかった親たち

Photo by Tom Reynolds from Flickr

西東京 連れ子虐待・自殺教唆事件

 2015年10月29日、東京地裁立川支部302号法廷。妻の連れ子に暴力をふるい、自殺させたとして傷害と自殺教唆の罪に問われていた、村山彰(41=逮捕時)は、通常、裁判長の言葉に耳を傾けるだけの判決宣告の場において「女装なんかさせてねえよ!」「状況証拠だけで判断してんじゃねぇか」と声を荒げ、阿部浩巳裁判長からその都度「静かにして下さい」と注意を受けていた。判決は、求刑通りの懲役6年。不規則発言から考えて、判決には不満があったのだろう。被告側は控訴を申し立てた。しかし、のちになぜかこれを取り下げ、刑が確定している。

 事件はこの前年に、東京都西東京市で起きた。2014年7月30日8時40分、村山の妻であり、今回の被害者、由衣翔(ゆいと)くん(14=当時)の母親であるAさんが、自室のロフトベッド脇手すりにタオルをかけ、首を吊って死んでいる由衣翔くんを発見した。警視庁田無署は同日、長男の顔や腹を蹴るなどしたとして、傷害容疑で村山を逮捕。由衣翔くんの死因は窒息死だったが、顔や胸などに数10カ所のあざがあり、村山は「(由衣翔くんを)強くしようと以前から殴っていた」などと容疑を認めていた。傷害罪での初公判は同年10月に開かれていたが、翌11月、虐待によって由衣翔くんを自殺に追い込んだとして、自殺教唆でも起訴され、公判が続いていた。

 由衣翔くんはAさんの連れ子であり、村山は継父だった。公判では村山本人や由衣翔くんの母親であるAさんも証言。村山による、生前の由衣翔くんに対する虐待や、Aさんへの暴力が明らかになったが、それはあまりにも幼稚で、残酷だった。家族で住んでいた都営住宅は由衣翔くんにとっては地獄でしかなかった。控えめなSOSも、見逃された。今回の短期集中連載ではこの公判をリポートする。

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