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【連れ子虐待・自殺教唆事件】右目を腫らして登校、周囲の大人は義父の虐待に気付いていた

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育てられなかった親たち

Photo by Tom Reynolds from Flickr

 当時の妻の連れ子、村山由衣翔(ゆいと)くん(14=当時)に暴力をふるい、自殺に追い込んだとして傷害、自殺教唆の罪に問われていた村山彰(41=逮捕時)。2014年7月30日朝、母親が、首を吊って亡くなっている由衣翔くんを発見した。本稿では2015年に行われた公判の模様を綴っていく。

■【西東京連れ子虐待・自殺教唆1】「24時間以内に自殺しろ」妻の連れ子を自殺に追い込んだ男

 村山の暴力によって顔に痣ができ、発覚を恐れた村山によって由衣翔くんが学校を休まされるようになったのが同年6月。だが、それまでも由衣翔くんは村山から暴力を受けていた。これに気付いていた大人はどう対応したのか。公判では担任の調書が採用された。

「2年生のときにも1年生のときにも担任だった。事実確認をしたことは年1回ほどある。2013年11月下旬、由衣翔くんが右目を腫らしていたので聞くと『父親に顔を殴られた』ことが分かった。学内でも話をした。2014年4月下旬、2回目の話をした。右目の下に青タンを作り登校してきたので由衣翔くんに『殴られたの?』と聞くと首を左右に振った。『お父さん?』と聞くと何も言わずに首を縦に振った。このとき学年会に報告している。2014年6月12日、最後に登校。翌日13日以降、学校に来なくなる。その少し前は怪我を負っている様子は全くなかった」

 これによれば、担任は少なくとも由衣翔くんが『中学1年生の11月』と『中学2年生の4月』に『父親に殴られた』ことを把握している。担任教諭としては、家庭に踏み込んでいいものかどうか、判断に迷う気持ちがあったのかもしれない。しかし、家庭で暴力を振るわれていたことを知っていたにもかかわらず、突然生徒が学校に来なくなったことを、学校側は重要視していなかった様子である。家庭訪問の打診をしたかどうかも定かではない。不登校の時期、母親が学校に「山形の田舎に帰った」と伝えているため、それを鵜呑みにして「義父の暴力から逃れられたのだ」と安堵してしまったのだろうか。

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