さて、特集冒頭では深刻さを煽る演出だったにもかかわらず、終始和やかな雰囲気で進行されたスタジオトーク。テリーの「陣痛、大袈裟」発言も特にモメることなく流されていったわけだが、ネット上では「聞き流すことはできない」と拡散されあちこちで怒りの火柱が立っている。「お前が産んでみろ」「軽々しくそういうことを言われるのは非常に不愉快」「産むのは命がけなのに」と非難轟々だ。そもそも妊娠・出産はひとりひとり違う。経験を重ねたからといって体が楽になるものでもない。また、上記投稿のケースでいえば、夫との子を出産すべく痛みに悶え、労わりや励ましを欲する場面で無神経な言葉を投げかけられたことに、妻の不信感が爆発したのであって、妻の表現が「大袈裟だったかどうか」は焦点ではない。
テリーを含め男性が妊娠・出産を経験することは不可能だが、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)で、医療機器を用いて陣痛・出産疑似体験をした出川哲郎は、「めっちゃ痛い!」「刺された、何かに刺されたぐらい痛い」と暴れながら絶叫していた。テリーも『ビビッド』の企画でこれを体験してみてはどうだろうか。
それにしても、同特集では『夫に死んでほしい妻たち』がいかに多いか、さらに60代の妻が夫を毒殺した事件が現実に起こったことを踏まえ、夫婦不和を防ぐべくどうしたら良いかを模索していたはずなのに、出演者であるテリー自身は、妻に嫌われたり「死んでほしい」と望まれているかもしれないなど微塵も考えたことがなさそうだ。視聴者投稿を揶揄する前に、己の振る舞いを省みたほうが良いのではと思うが。
(犬咲マコト)
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