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「托卵女子」という恐怖の悪女~DNA鑑定で暴かれる「ホトトギスの罪」

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DNA鑑定の結果、2割が夫の子どもじゃない?

「托卵女子」という言葉をご存知だろうか。托卵とは、カッコウやホトトギスなどが卵をほかの鳥の巣に産み落とし、雛を育てさせる行為を指す。転じて、夫以外の男の子どもを産み、その事実を夫に隠して育てようとする女が、俗に「托卵女子」と呼ばれているのだ。

Googleトレンドを調べてみると、「托卵女子」というワードが検索され始めたのは、2013年ごろからのこと。2013年は、元光GENJI・大沢樹生と、前妻の女優・喜多嶋舞との「実子騒動」が報道された年でもあり、子どもの本当の父親を巡る問題に注目が集まった。

「この子は、本当に俺の子どもだろうか」。自分の腹を痛めていない男が、そういった疑念を抱くのは珍しいことではないようだ。ネットには、「夫が托卵に気づき、妻と間男に制裁を加える」といったエピソードが、テンプレのように書き込まれている。これらが事実かどうかはわからないが、托卵に対する男たちの恐怖心が多数の書き込みから読み取れる。

托卵という言葉が一般的に広まった背景には、DNA鑑定で父子関係が調べやすくなったという現状がある。「SPA!」(扶桑社)1997年6月25日号には、アメリカから上陸したDNA鑑定の民間企業が紹介されている。同社は、「貴方がパパと断言できますか?」という刺激的なコピーの広告を全国紙に載せて話題になった。当時の時点で、日本における鑑定の約2割が「親子関係なし」との結果だったというから驚きだ。

もちろん、托卵は昔からあった。『源氏物語』にも、桐壺帝の妻・藤壺が光源氏と関係を持ち、子ども(後の冷泉帝)を産むという逸話がある。藤壺を「元祖・托卵女子」と呼ぶと各方面の偉い人から怒られそうだが、結果だけ見るとあながち間違いだとは言い切れない。

昔はいくら父子関係に疑念を抱いても、正確に調べる術がなかった。しかし、科学の進歩により、パンドラの箱を開けられるようになってしまった現在。「知らぬが仏」で済んだ時代は終わり、現代的な「悪女」として、「托卵女子」が男を悩ます種となってきている。

ちなみに、「婦人公論」(中央公論新社)2013年9月7日号の読者アンケートによると、65.5%の妻に不倫経験があるという。やや大げさな数値に思えるが、日本中の淑女が愛読する同誌のアンケートによれば、少なくとも結果はそうなのである。しかし、もっと深刻なのは、妻の不倫に気づいた夫が5.5%しかいないことにあり、とにかく男は女の不貞に気づきにくい。そして、托卵にも。

いったい、「托卵女子」とは、どのような女たちなのだろうか。

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宮崎智之

東京都出身、1982年3月生まれ。フリーライター。連載「『ロス婚』漂流記~なぜ結婚に夢も希望も持てないのか?」、連載「あなたを悩ます『めんどい人々』解析ファイル」(以上、ダイヤモンド・オンライン)、「東大卒の女子(28歳)が承認欲求を満たすために、ライブチャットで服を脱ぐまで」(Yahoo個人)など、男女の生態を暴く記事を得意としている。書籍の編集、構成も多数あり。

twitter:@miyazakid

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