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生理中の女性は万引きし、放火する…。昔からあった婦人科系トンデモの世界

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何でも生理のせい。Photo by Robert Grosschopff from Flickr

「月経(生理)はネガティブな感情も洗い流してくれる、月に一度のデトックス」「子宮の声(訳:魂の欲求)は月経という形で目に見える」「布ナプキン生活を送ると経血を慈しむ気持ちが芽生え、真剣に体と向き合うことができるようになる」「月の満ち欠けと月経は連動していることから、女性は神秘で自然と密接な存在であるetc.

 スピリチュアル界、自然派女子、そして経血コントロールや子宮教などのおまた界周辺では月経を神聖視して、自己肯定感を高める手法が定番です。

 確かに月経はさまざまな時代や文化の中で、神秘、畏怖の対象として特別視された歴史があったのは事実です。しかしそれらはいい話ばかりでなく、〈不浄〉扱いされてきたネガティブな歴史があるのも、皆さまご存じのとおり。いずれにしてもその背景は、科学がまだ発展していなかった(月経のしくみが解明されていなかった)のをいいことに、権力や利益の都合によって最もらしい物語で広められたものであるのが大多数のようです。そもそも生殖機能以外の何物でもない月経に必要以上の役割を盛り込むのって、〈女は大いなる自然とともにある母であれ〉という価値観を押し付けられているようで、どうも賛同しにくい!

 そんなわけで改めてぜひ皆様とご一緒にウオッチングしたいのが、根拠のないお説で月経を語ることがいかにアホらしいかを知ることのできる、かつてのトンデモ月経論の数々。〈月経が犯罪の原因である!〉と謳われた歴史、その時代背景を検証する『月経と犯罪 女性犯罪論の真偽を問う』(田中ひかる著・批評社)から、オモシロ月経話をご紹介しましょう。

生理がある女性は愚かで、弱い

 政府の御用雑誌であったという『婦人衛生雑誌』で紹介されたり、明治の女子教育論で用いられたりした月経にまつわるお説が、こちら。多くは西洋の学者たちの主張が、輸入されたもののようです。

・娘にはあらかじめ月経の知識を与えておかないと、突然の出血に驚いて痙攣を起こし、それが契機となり精神疾患を発症する。(何でもかんでも「犯人は月経だ!」にできたのなら、医者もさぞかし楽だったことでしょう)

・月経時は精神が刺激されやすく悲しんだり怒ったりしやすいから、刺激をあたえないようにとされ、芝居、寄席、小説、競争勝負、複雑な事はすべてNG(娯楽は刺激という発想が、逆に新鮮っす)

・初経期以降の女子が教育を受けることは身体にも精神にも有害。女が脳を使い過ぎると生殖能力に悪影響を及ぼす(子宮系女子界でも、似たような主張があったなあ)

・月経中は妄想、嫉妬に襲われやすい(当時の女性に、聞き取り調査したのかな? 調査法が知りたいわ)。

・生理中は女の注意を引きやすい宝石や装飾品の誘惑に抵抗できず、無意識のうちに万引きしてしまう。ついでに放火も女特有の犯罪なので(もちろん根拠なし)、恋人に会いたい一心で放火をした有名事件〈八百屋お七〉も月経中だったのではというお説(多くの女性犯罪者が月経中だった可能性があるのは当たり前過ぎ)

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山田ノジル

自然派、エコ、オーガニック、ホリスティック、○○セラピー、お話会。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のないトンデモ健康法をウォッチング中。当サイトmessyの連載「スピリチュアル百鬼夜行」を元にした書籍を、来春発行予定。

twitter:@YamadaNojiru

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