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頬張ると幸せな気持ちになる「菊花シュウマイ」

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みなさまこんにちは。割烹和代の時間がやってまいりました。
さてさて今日は「菊花シュウマイ」。
どうぞよろしくお付き合い下さいませ。

今日はちょいと小荷物を運ぶ日でして。
何を運んだかって? ないしょ〜☆
……ごめんなさい。別に聞いてないよ! ってね。

まあともかく私は小荷物を運ぶべく赤帽トラックに同乗したわけですよ。
道中、赤帽トラックのおじさんとずっと喋っていました。

よくお願いしているトラックおじさんがつかまらなかったので、初めてのおじさんですが、この人がやたら愛想がいい。昔ハズレの運転手に当たって不愉快だったって予約のときに話したからなんだろか?
そのときは、運搬中だったのに運転手が車止めて私用の怒りの電話をかけて待たされたから怒ったんだよ。
愛想良くなくてもやることやってくれたら良いのよ?

さて、今日のおじさんは大阪出身、喋る喋る。
始めは当たり障りのないことを話していたんですが、
「結婚しないの?」と、答えにくい質問を投げてきたので驚きました。

「やー、どうなんでしょうねえ……(もごもご)……親も私も諦めてますよ……」

おっさん「なんか急に反応悪くなったねえ。男に興味ないの? 内緒? 答えらんない? 言いたくない? そこは触れるなって?」

おいおっさん……質問が矢継ぎ早すぎだろ。
結婚するしないは一般的な話題だろうけど、そっから踏み込み過ぎだろ。「答えらんない?」って何だよ(怒)。

「いや、あの、そういうわけじゃなくてですね、……というか、なんでそういうことをあっさり聞くんですか?」

おっさん「え? 何で聞いちゃいけないの? そういうのさらっと聞いた方がいいじゃない!」

友達ならね!
付き合い浅くても初対面でもイヤミなく聞けるスキルの持ち主はいると思うけど、おっさんのは悪気の無い土足だよ!
「あれ? ここ土足ダメなの? あらま〜! ハッハッハ〜!」っていう。
ハッハッハ〜じゃないわよ!

「あのですよ? 女はですね、日頃、世間や家族親戚からプレッシャーを受けているんですよ? 実際に言葉で『孫の顔を見せてくれ』と言い続けられている人もいるし、まあ、周りは意外と気にしていないのに本人が勝手に感じているだけの場合もあるでしょうよ。おじさんに悪気はないんでしょうけど、でもですね、なかなか答えづらい質問なんですよ。いきなり聞かれてびっくりしましたよ!」

おっさん「え……聞いちゃダメなの? 逆に聞いたりしないの?」

「まあ、話相手が何か事情を抱えていて実際には結婚できなさそうだとしても、表面上は調子合わせて『いや〜まだまだ難しいですね〜』とか『もう諦めました〜!』とか言ってくれることはあると思いますよ? でも、そういう直球な質問を投げられたら、事情を抱えている人は一瞬『うっ!』ってくると思うんですよ。おじさんに悪気はなかったとは思うんですよ? もしも結婚して子供いたら『結婚して子供もいます〜』って私さらっと答えられたと思うんですよ。でもそうじゃない場合は特別な理由があってもなくても答えづらいし聞きづらいんです」

おっさん「そう言えば、『なんで初対面の人にそんなこと聞くんだ』と友達に注意されたことあるんだよねえ……」

友達に突っ込まれてるんかい。
そして直さないんかい……

「多分、おじさんくらいの年代はさらっとそういうこと聞ける年代だと思うんですよ。聞かれる方もそんなもんだと思って答えてた時代があったと思うんですよ。大学時代、女の先輩がある教授と話してて、その教授もいろいろと私的なことについて先輩に聞いていたんです。そしたら先輩笑い出して『先生!質問が直球すぎます!』って言って質問に答えるのはぐらかしたんです。教授は何がいけなかったのか分からなくて『へ?』ってなってたんです」

そうそう、これずっと感じてたのよね。
アラフォーなら分かるよね?(←何を求めているんだ)
無邪気に私的なことを聞いてもお互い何ともない空気感のある時代。
あいや、何ともなくはないけど、ちょっと踏み込んだことを聞かれても今ほど過剰反応しないような。

私の小さい頃? もっと前? 生まれる前? 昔はもっと露骨な気がしますわ……
気になるから聞く。知りたいから聞く。シンプル。
田舎だったからってだけではないと思うんですよね……
アラサーはうっすら感じるかしら?
二十代はただただこんな土足おっさんたちを迷惑に感じるのかしら?
あら? これ、時代とか世代とかの話じゃなくて、私自身が神経質なだけかしら!?

woo     どんな土足ズカズカな質問も 涼しい顔でギャグをかまして 煙に巻いて立ち去りたい♨

私の理想 mmm……(脳内ソング)

なんの歌だよ? 平和の歌よ!

 

(波濤)(波濤)(波濤)(波濤)ザッバ〜ン(波濤)(波濤)(波濤)(波濤)

 

少しの沈黙を破り、

おっさん「実は60になる妹がいるんだけど、独身なんだよね。」

「え!!」「え〜……」

しばらく私は「え〜」しか言わなかったような気がします。
よっぽど私の方が失礼かも知れん……

おっさん「今は妹に結婚の話題は間違っても出さないけど、妹が30~40くらいまでは(結婚のことを)言ってたな」

「そうだったんですね……」

おっさんにはお嬢さんがいて、結婚もしてるとか。
結婚のとき、娘さんの旦那が気に入らなかったから反対したそうな。

おっさん「でも本人が好きって言うからもうしょうがないよね」

「結婚できて良かったですね。ほっとしたんじゃないですか?」

おっさん「いや~……旦那が嫌いだからねぇ……これで良かったのなぁ~」

そういえば駅前の中華料理屋のおじさんに『結婚しても変なのと一緒になるくらいなら、結婚しなくてもいいよ』って言われたことあったな。
中華料理屋のおじさんの娘さんは結婚したものの、相手の男が女癖悪かったらしく離婚したそうな。

あれ?

おっさんはズカズカとこちらのことを聞いてくるけど、自分のことも話してくれるんだな。
おっさん……自分の内側を晒す許容量が大きいのかな?
おっさん世代は自分の内側をお互いにバーンと晒し合える人たちなのか……?
個人的な性格もあると思うけど、なんとな~く、やっぱり世代と関係あるんじゃないかと思えてきたよ。

おっさんのレクチャーは続く。

おっさん「若い頃散々遊んでいた男が、結婚して子供が出来た途端に変わったってこと結構あるよ~。10人に1人はそう!」

「それ、どこ情報ですか?」(←おっさんが調子良く喋るもんだから無駄に疑っている私)

おっさん「自分の友達。散々遊んでいたのに、仕事終わったら鳩じゃあるまいに家に一直線でね。『おまえも変わったな〜』って言うと、何にも言わずにふふって笑うんだ〜。あれ本当に家族を大事に思ってるんだろうね。そこでしゃあしゃあと『僕は妻を(家族を)愛しているから』なんて言える奴は偽物。褒めたときに多くを語らずに黙っている人はいいよぉ。本物。よく観察してごらん。参考にどうぞ」

「はあ~。照れくさいんでしょうかねぇ~」

降ろしてもらうように頼んだスーパーが近づいてきました。そろそろ赤帽おっさんともお別れです。

今夜のご飯は何ですか? と聞かれたのでシュウマイですと答えました。
そしたらなぜかシュウマイにカニかま追加をえらく推されてしまいました。

「カニかま、実は苦手なんですよ」

おっさん「え? カニかまなんてみんな食べるでしょ? 最後にカニかま食べたのいつ?」

「あぁ、もう何年も食べてないです。あの匂いがちょっと苦手で……」

おっさん「昔のカニかまと今のカニかまは色も味も全然違うよぉ~?」

「へぇ~食べたんですか?」

おっさん「……いや、食べてない。でも、昔のカニかまとは違うって! ニュースで見た!」

……食べてないんかい!

このおっさん言葉盛りおっさんか? と思ってしまいましたが、「あっ……いや、カニかま入りも作ってみます! やってみます!」と思い直し、そう答えました。

 

今日の献立「菊花シュウマイ」。
下準備がやや大変ですが、頬張るときに、かみしめるときに、「お疲れさま」ってシュウマイに言われている気がします。
では参りましょう。

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自意識和代

人の好意をなかなか信じられず、褒め言葉はとりあえず疑ってかかる。逆にけなし言葉をかけられて「なんて率直なんだ!」と心を開くことがある。社交辞令より愛あるdis。愛がなければただのdis。凹んじゃうよ! ラブリーかつ面倒なアラフォーかまってちゃんである。

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