追いかけてきた大学生バンドマン
思わず「ツラい……」とつぶやきながらIちゃんと二人で帰路についていると、なんと先ほどの男版不思議ちゃんが友達と追いかけてきました。
「僕たち今日お姉さんたちしかまともに喋れなかったんで……。良かったらどっか飲みにいきませんか?」
いや、全然私たちですらまともに話出来てなかったよ!? と思いながらも、せっかく追いかけてきてくれたし、まぁ顔はタイプなので1軒軽く飲みに行くことにしました。
バーに入って改めて自己紹介をして飲み始め、今度はある程度ちゃんと会話は出来たのですが、何かこの不思議ちゃんと友達の会話の仕方が引っかかるんですよね。
「いやー、今日すごい人でしたね」
「5人くらいやっけ?」
「そんな少なないよ! 店閉めーや!」
これは……ものすごく……漫才師の匂いを感じる……! 私がミナミで遊ぶ時に一番恐れていること。それは漫才師に遭遇することであります! 冒頭でもお伝えしました通り、2年前まで大阪でお笑いしてましたからね! あれ、東京行ったはずが、こんなところで男漁りしてます? って誰にもバレたくないやん! 何度2人に「もしかして芸人ですか?」と聞いても否定されますが、
「ところでお姉さんたち、何十歳ですか?」
「いや、そんな老婆に見えたん!?」
と、二人の漫才は続きます。
結論ですが、しつこく聞いたところやはり芸人の方でした。しかもピチピチの養成所卒業したて。あぁ、なんでこんなところで後輩捕まえなあかんねん! とまぁ、黙っておけば良かったのですが、私も自分の身元をバラしてしまいまして。二人もなんとなく「あ、すみません……」「芸人に過剰反応するから誰かのセフレかと思いました」と完全萎縮。いや、なんかこちらこそすみません……。上京資金を貯めているという2人。東京来たらご馳走するから! と、LINEを交換して帰宅しました。
この日、ゲットしたLINEこれのみ。何とも微妙な空気でそれぞれの帰路につきました。今度から大阪で遊ぶ時はキタで遊ぶ!! それだけは決めたぞ!!