7年ぶりの民放連ドラ主演、恋愛ものは超久々の滝沢秀明(34)が唐突にエアギターをカマしたことで目下、大注目の夏ドラマ『せいせいするほど、愛してる』(TBS系)。初回放送についてはmessyでも取り上げている。7月19日放送の第二話でエアギターはおあずけとなったが、それでも初回に負けず劣らずのコント感、学芸会ノリの空気が醸し出されていた。しかも視聴者の期待に応えるべく、次週予告冒頭にはエアギターをかき鳴らす(?)タッキーの姿が。二話めにしてヒロイン・武井咲が「愛人でもいい」と不倫沼に腰までずっぽり浸かり、次週はタッキーとの濡れ場も用意されている。長谷部誠似のストーカー男も暴走しそうだし、今後も期待大だ。
武井咲演じるヒロインの未亜はティファニージャパンの広報部に勤務する25歳。現社長(松平健)の甥で副社長の海里(滝沢秀明)が3カ月間限定の研修を受ける名目で広報部にやってきた。指導係の未亜と海里(既婚者、妻はワケアリ橋本マナミ)はどんどん接近し、不倫に発展していく。荒唐無稽なストーリーと原作少女マンガそのままの演出(もはやマンガ的というよりも女性を対象にしたスマホゲームっぽい)でリアリティが微塵も感じられないファンタジー作品なのだが、どれだけぶっ飛んでいるかあらためて紹介しておこう。
第二話では広報部で懇意にしているカリスマスタイリスト・森丈一(駿河太郎)に、部下が無礼をはたらいてしまった。信頼を取り戻すべく未亜はお詫びに行のだが、森に「その誠意が本当なら体で払ってよ」と脅され、未亜は承諾……。この会話を未亜のスマホ越し(通話中だった)に聞いた海里はすぐさま彼らのいるホテルにダッシュ。未亜を抱きしめホッとする海里だったが、そこで行われていたのは枕営業ではなくコスプレパーティだった。オネエの森に気に入られ、海里も無理矢理、海賊のコスプレをさせられるハメに。飲み過ぎて泥酔した海里を介抱しつつ、未亜はこっそり海里の結婚指輪を盗んでしまう……。駿河のオネエ演技もスゴかったが、ストーリーはやはり超破天荒だ。ここまでで前半15分程度である。
さらに未亜は先行発売のジュエリーの発売日を、HP上に間違って掲載してしまうという大ミスをやらかしてしまった。挽回しようと雨の中、なんと未亜はビラを配り出すのであった。この件ではミスをしただけでなく、結果としてブランドイメージを損ねてしまったとして大問題になりかけるのだが、先の森がインスタにこのジュエリーについて投稿してくれたことで店舗には行列ができ、売れ行きアップをもたらす。これで未亜は不問に付された……。めでたしめでたし、の中、海里に指輪を返し、「愛人でいい。副社長が欲しい」と自分の気持ちを伝える未亜だった(第三話に続く)。
世界的に有名なジュエリーブランドの広報でありながら、やたらとミスを繰り返す広報部のキラキラ社員らにも驚きしかないが、結果オーライでミスも問題視されないところにも、同じくらい驚きである。もはやこのドラマ自体がティファニーのブランドイメージを毀損しているのではないかと心配になるほどだ。こんなに女性の仕事ぶりを雑に描写していいのか……? だが、ここまで荒唐無稽、ぶっ飛んだストーリーでありながらも、なんだかんだ言いつつ最後まで見てしまうのは、タッキーの美しさが半端ないからである。超美形の顔で、大真面目に、恥ずかしすぎる演出をこなすタッキーが健気に思えてくるのだ。
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