【前編:「男である自分を抹消しようとした」Men’s egg出身のトランスジェンダー・MiZUKI氏が女性から男性に変わるまで】
幼少期から性別に違和感を覚えていたにも関わらず、自分の男の部分を抹消して「男が無理なら自分が大好きな完璧な女の子(ギャル)になろう!」と決意したMiZUKIさん。今回は、ギャル女子時代からFTM(身体的には女性、性自認は男性)に変わった経緯を伺っていこうと思います。
ネット文化が人生を変えた
――ギャル時代ってどんな気持ちでしたか?
MiZUKI:当時はびっくりするぐらい男性からもモテたんですけど、やっぱり心の中にある「男の子になりたい」っていう願望は消えるはずもなくて、すごくストレスを抱えていました。
そんな時に普及し始めたのがiモード等のインターネット。ネットサーフィンしていた時に、たまたま「おなべ」と呼ばれる人たちを見つけて「この人たち、見た目男じゃん! 僕がやりかったやつじゃん!」って衝撃を受けました。さらに、その中にはギャル男の人もいて、そいつがちょっとカッコよかったんですよ(笑)。その人を発見した時に、もう「僕もなりたい」って気持ちが止まらなくなりました。
――それは何歳頃ですか?
MiZUKI:高校1年生の時です。親に高校には行かせてもらっていて、ギャルながらにグラビアアイドルとも付き合えたんですけど(笑)、女子の制服を着なきゃいけなかったし、一年も通わずに辞めさせてもらうことになりました。
その後、本格的にギャル男を目指して、17歳からホルモン注射を打ち始めて、『Men’s egg(以下メンエグ)』(大洋図書)にも出させていただきました。
――メンエグモデルともなれば、ギャルにモテるんじゃないですか?
MiZUKI:そう!! 念願のギャルにモテる時代が始まったんです! 当時流行っていた“前略プロフィール”っていう個人のプロフィールを作成できるサイトに、ギャルが「メンエグに載ってるミズキチだー❤」なんてメッセージをくれることもあったり、正直選びたい放題でしたね。21歳ぐらいまでは、チャラチャラと“ギャルにモテる男の自分”を楽しんでいました。