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喜びも痛みも光に変え…ビョーク展に寄せて「鯵の変わり南蛮漬け」

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 aretabeyo0725

こんにちは。自意識和代でございます。
みなさまいかがお過ごしでしょうか? 夏の予定にウキウキしていますか?
私はしつこい腰痛に悩まされ、頻度を減らしたとは言え整骨院マッサージを受け続けるのにイライラし、鍼デビューしました。
鍼デビューを担当して下さった先生は、なんとも喋り方に特徴のある方でして、
「よ~し、もうわかったぞ~! だいたいわかったぞ~!」(やたら繰り返す)とか
「鍼は初めてなんだよね? 緊張してる? あ~! おっかねえおっかねぇ!!」と、
やたら大きな声で繰り返しながらパンパン! ペンペン! と腰をはたくので不安を覚えました。
この人、コントに出てくるダメな医者みたいだな……。
それか時代劇の脇役で出てくるお調子者。
「先生はあれですね。時代劇に出てくる愉快なお調子者みたいですね」と言ってみたら、
「あ〜。うっかり八兵衛みたいなやつ? あっはっは」とのことでした。
しかし不安とは裏腹に、翌日は痛みが8割くらいなくなっていました。
先生……コントに出てくるダメな医者などと思ってしまってごめんなさい。
即効とまでは言えませんが、鍼って効きがいいんですね。
泳ぎつつ、時々鍼やマッサージで様子を見ながら体を整えようと思います。
ところでところで……

……なんて調子で始めて、日々の徒然なることでもしたためて、この時期の食材で何か作ろう。
ああそうだ。鯵(アジ)を揚げて香味ダレでも作ろうかな。油淋鶏風味のタレ。ご飯が進むぞ。
よーし決まり決まり! と思っていたのですが、予定が狂ってしまいましてよ。

~~さざ波~~

先日(と言っても随分前のことになってしまいましたが)、ビョークが日本でDJイベントをするという情報が流れてきましてですね。
Björk Digita―音楽のVR・18日間の実験 日本科学未来館 (Miraikan)」という展示が行われ、そのオープニングパーティーとしてDJイベントが行われると。

しばらく音楽を聴くことから遠ざかっていた私ですが、その知らせにピク……となりました。
チケット発売開始予定時刻の10分前。スマホ片手にスタンバイしておりました。
時刻になって購入画面を開いたところ、日にちと枚数選択までは入力できたのですが、その先は何度も何度も「アクセスが集中しています」という旨のメッセージが表示されるだけでありました。
そうこうしているうちに10分が経ち、気がつけば売り切れ。
がっかり……。

ビョーク。
学生時代は、名前を聞いたことがあるな……という程度の認識でした。友人が話題にしていたような。
ミュージシャンだと聞いていたけどあまりピンと来ず、なにかこう、おどろおどろしくも美しいイメージを持っていました。
「ビョークの音楽に出会って、雷に打たれたような衝撃を受けてそれからもう虜!」
……などというスッキリハッキリしたきっかけはありません。
よくわからないけど、何か気になる……という気持ちが積み重なって現在に至っています。
蔦が伸びてきて絡めとられそうな曲線のイメージが浮かびます。
昔の雑誌で語られたビョークの言葉を思い出しました。
「人々は私がアナザープラネットからやってきたみたいに言うけど、私はこの星で生まれ、生きているのよ」とか、
「人生に迷わないように左腕に方位磁石の刺青を入れた」とか、
そんな言動に惹かれたのかもしれません。
CDをポツポツと聴き始め、主演映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000年)を見て、2005年は金沢へマシュー・バーニーの展示を見に行き(映画制作の音楽監修・出演:ビョーク)、2008年2月には武道館ライブに行きました。

「Declare Independence」という曲が一番印象に残っていて、ライブが終わっても歌詞の一部が頭に残っていました。
特に「raise your flag! higher  higher(旗を上げて 高く高く)」の部分は、声が重なって頭の中を駆け巡ると叫びそうな気持ちになりました。
叫びませんでしたが。

武道館ライブからひと月くらい経ったある日。
私は風邪をひいて早々と横になっていました。
退屈なのでラジオを聞いていたら、男性パーソナリティーが興奮気味に語り出しました。
上海のライブ(2008年3月2日)でビョークが「Declare Independence」の曲の中で「チベット チベット」と言ったため中国当局に睨まれていると。(参照:ステージで「チベット独立」叫んだ歌手ビョーク、当局激怒で… – Record China

え、どういうこと?

驚いてボリュームを上げました。
チベットが起こした暴動を中国が鎮圧した、という事件があったそうで。
(チベット事件 2008年3月2日)
アメリカがテロとの戦いを宣言してみせたように、中国はチベットを「暴動を起こすテロリスト」と位置づけて印象づけたいんだろうけど、チベットはテロリストなんかではないし、中国の主張は国際的に認められないだろうと説明していました。
そもそも中国は「チベット解放」という名目なのに実際には弾圧(1950年)。
それ以来、現在までずっと支配してきたのは中国のほうなのだと。
今回の事件は「暴動」ではなく「チベット独立を求めるデモ」だったということでした。
(参照:大紀元日本 2008年3月21日 チベット事件の本質:暴動ではなく、暴政への抵抗

ビョーク……
チベットを長いこと弾圧してきた中国で、歌う予定のなかった「Declare Independence」を歌い、「チベット チベット」と言ったのか……。

独立を宣言するのよ
奴らにそんなことさせちゃダメ
独自の通貨を流通させて
切手を発行し
言語を堅持するの
自分の旗を掲げて(もっともっと高く)

 アルバム『Volta』(2007年)「Declare Independence」訳詞より抜粋

……まるでチベットに向けて言っているみたいじゃないか……。
ラジオで「中国当局はビョークを拘束しようとしている という話もある」と聞き、
「は? ビョークを拘束!? 本当にそんなことしたら世界中のファンが黙ってないぞ!!」
と、ひとり布団の中で鼻息を荒くしました。
でも「拘束」って本当に言ったかな?
「ビョーク チベット」「ラジオ 2008年 火曜日20:00」で検索。
しかし当時の番組名やトーク内容までは確認できず。
「拘束」と言ったのかどうか曖昧です。
う〜ん。鼻息荒く憤りを感じたのだから「拘束」くらいきつい言葉だったはずです……。
ラジオのアーカイブ記事は見つけられませんでしたが、中国当局、「チベット独立」支持のビョークを強く非難 – (大紀元) – 大紀元日本の記事には「(ビョークに)処分を下す」と書いてありました。
ビョークは声明で「政治家ではなく1人のミュージシャンであることを強調したい」「独立を宣言する願いも感情の中の一部」「この歌を通じて、独立を取得しようとするすべての個人や民族に幸運をという私の願いを表したい」と語っていました。

ビョークと言えば、チベット事件と「Declare Independence」が私にとって一番強烈です。

(回想終わり)

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自意識和代

人の好意をなかなか信じられず、褒め言葉はとりあえず疑ってかかる。逆にけなし言葉をかけられて「なんて率直なんだ!」と心を開くことがある。社交辞令より愛あるdis。愛がなければただのdis。凹んじゃうよ! ラブリーかつ面倒なアラフォーかまってちゃんである。

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