プロジェクトYSJ 出張報告書【10】
先日発足した「プロジェクトYSJ(夢子に精神科を受診させる)」の続きですうつ。これまでの報告については、こちらをご覧いただきたいうつ。
夢子が抑うつ的な状態なので、うつの妖精であるうつりんは夢子に精神科受診をすすめているうつ。けれど夢子は「近場でお祓いでも受けて済ませたい」とのたまってるうつ。うつりんは「狐憑き」という狐のせいでなるとされていた病気が、わりとと最近まで日本にはあったことから、いかに日本では迷信に基づいた考え方が未だに支持されているかを痛感しているうつ。
夢子「迷信と言いわれればそうかなぁ、とも思うけど、やっぱ厄払いしてさっぱりしたいっていうか。いろいろと嫌なことがたて続けにあったうえに、体調が悪くなっちゃったからさぁ」
うつりん「夢子は、お祓いや厄払いについて詳しいうつか?」
夢子「ううん、何をするのかすらよく知らない!」
うつりん「それにしては、お祓いや厄払いについてよく知ってるうつねぇ。本質を抑えて感覚的に理解しているのに、なんの知識も伴っていないのが伝統的考え方の恐ろしいところうつね。厄払いは、災厄・厄難を払い落すことうつ。あらかじめに厄を払っておくものと、災難や疫病が起こってから払い落とすものがあって、夢子が受けたがっているのは後者うつね。ところで厄払いって本来は『厄祓い』って書くんだそううつよ。お祓いは、そもそも『祓え(はらえ)』という呪的行為なんだうつ」※
「病院に行きたくない心理」と「穢れ」
夢子「呪的行為? 急におどろおどろしいイメージになってきた」
うつりん「そもそも日本古代からの観念に『穢(けがれ)』というものがあるうつ。不浄なもの、汚いもの、けがらわしいものに関する古い考え方で、人体に関わるものとしては死・出産・妊娠・流産・月経などが穢とされてきたんだうつ。昔、月経中の女性は『不浄だ!』っていわれて隔離されたのは知ってるうつでしょ?」
夢子「知ってる! なんか『穢』項目に女性だけがなるものが多いのがヤなかんじだよね~。流産も月経も好きでなるわけじゃないのに、それを『穢』だなんて失礼なハナシよね!」
うつりん「昔の人は穢にはなるべく近寄らないようにしたんだけど、どうしてもそれが無理な場合は、穢をもっている人を隔離したり、お祓いをしたんだうつ。どうして避けたり隔離するかというと、穢は伝染すると信じられていたからうつ。
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