インタビュー

セックスした相手を特別扱いしないことは「嫌われる」一因になる/紫原明子×枡野浩一【1】

【この記事のキーワード】

連続対談シリーズ「心から愛を信じていたなんて」

『愛のことはもう仕方ない』/『家族無計画』

『愛のことはもう仕方ない』/『家族無計画』

紫原明子×枡野浩一対談
「無計画」で「仕方ない」夫婦と男女~離婚と自立とセックスレスと~

最新小説『愛のことはもう仕方ない』(サイゾー)を上梓した歌人・枡野浩一さんをメインホストに、結婚・離婚・恋愛・家族・セックスを赤裸々に語りつくす対談シリーズ「心から愛を信じていたなんて」――。第1回ゲストはデビュー作『家族無計画』(朝日出版社)が発売され注目を浴びるエッセイスト・紫原明子さんです。

ふたりの共通点はともにバツイチ、つまり離婚経験者であること。そしてともに、かなり強烈な旦那さんと奥さんに振り回された、妻と夫であった(と認識している)ことです。夫婦論からスタートして離婚論、回を追うごとにキャバクラ論・新宿2丁目論、さらには不倫セックスレス論議にまで縦横無尽に突き進んでいきます。ジェンダーフリーかつタブーフリーな「無計画で仕方ない」対談のはじまりです。

(構成/藤井良樹)

「『家族無計画』は元気が出る本で、僕の本は実用性がない」(枡野)

枡野 歌人の枡野浩一です。今日は紫原明子さんをお迎えして、私たちの著作の発売記念としての対談です。(枡野、そう言いながら本を出し)あっ、間違えて、こっちの本出しちゃった。『絶望手帳』[注]……。

紫原 ええっ、間違いって、間違いがうますぎじゃないですか(笑) あまりに出してほしくない本……(笑)。

枡野 (『絶望手帳』は紫原さんの元夫の)家入一真さん[注]という人の本で、僕の短歌[注](手荷物の重みを命綱にして通過電車を見送っている)が引用されているんです。

紫原 そうですよね。

枡野 (本の)帯にも引用されていて。

紫原 (家入一真『絶望手帳』と紫原明子『家族無計画』[注]を)同じコーナーに置いてくださる本屋さんが多くて。斜め上とかに陳列されています。

枡野 (その2冊は)色合いとかも似ていて。素敵な。

紫原 でも私の本は希望に満ちた内容にしたつもりで。「絶望」とは正反対のものにしようと思って。

枡野 そうですね。

紫原 まぁ、彼の本を意識して作ったわけではないんですが。

枡野 なるほど。それで家入一真さんは、また選挙(東京都知事選挙)に出られるんですか?

紫原 はっ!? やっはっは……。

会場 (笑)

紫原 本当にタイムリーで。その話、ほんとありがとうございますって感じなんですけど(笑)。最近、cakesというサイトで『家族無計画』のプロモーションの一環として、『あの都知事選と離婚』[注]というまえがきを無料公開したんですけど、それがちょうど舛添さん(舛添要一元東京都知事)が「これから辞任します」って表明した日で。記事がけっこうバズって……。元夫は苦々しく思ってるかもしれませんね。「蒸し返すなよ!」って。

枡野 忘れてしまいたいことなんですかねえ?

紫原 みんななかったことにしてほしいと思ってるんじゃないでしょうか……。

枡野 それで絶望してるのかなぁ?

紫原 いろいろ言われますもんね。「公約はどうなった!?」とか。

枡野 ああ……。

紫原 「『インターネッ党』[注]はどうなった!?」とか、よく言われるみたいです。

枡野 僕は家入さんとは共通の友人がいて……。『美人時計』というサイトの創業者で実業家のHくん……。

紫原 ああ、Hさん。

枡野 (それで家入一真さんの)お名前はよく知っていて、「家入さんが有料メルマガを始めたけど全然書かない」って(当時のネットで)けっこう話題になってたんですよ。

紫原 けっこう問題になってましたね。

枡野 みんなで騒いでいて……。僕、当時、メルマガを始めていて。(メルマガ『毎日のように手紙はくるけれど』[注])。わりと毎日毎日、真面目に書いていて。だから(逆にメルマガを書かないことに)「すごいな、この人、度胸あるな」って思っていて。

紫原 けっこう深刻なことになっていたみたいで。いまはもう編集者の人がひとりついているので、順調に発行されているはずです。

枡野 そうなんですか。なんかいろいろありましたもんね。お金を請求されたとか。Twitter上で。なんか(家入さんって)見えやすいところでやるんですよね。

紫原 そうなんです。(ギャランティが)支払われていないイラストレーターの方と(未払いでTwitter上で揉めたとき)、その方の奥さんが参戦してきて、もっと炎上が広がったり。そのイラストレーターの方はどうも奥さんと揉めていらっしゃったんですよ。女性問題が起こっていて。

枡野 複雑なんですね。

紫原 奥さんが「そんな、あんた、(家入さんに)文句言ってるけど、あんただって女関係ドロドロでしょ?」って……。そうしたら(ブロガーで投資家の)山本一郎さんにブログで「もう奥さん同士で話し合えば?」って書かれたことがありまして。

枡野 Twitterって恐ろしいですね。

紫原 インターネット村って本当に怖いなと思いました。

枡野 怖いですね。僕、自分の離婚のときにまだTwitterがなくて本当によかったと思っていて。

会場 (爆笑)

枡野 時々、男性が女性に嫌われて、しょぼ~んとしたツイートを始める人がいるんですよ。ほんとに気の毒で……。

紫原 Twitterの怖さってツイートの内容だけじゃなくて、行間が見えてしまうというか、ツイートされてない時間に何かがあったことが見えてしまうことですよね……。

枡野 すぐ(まとめサイトに)まとめられちゃうしね。

紫原 そうですね。まとめ方で、いかようにも編集できますもんね。

枡野 それで、そんなふうにダンナさんを知って、まだお名前が「家入明子さん」だったときに文章を読んでいて、実際にお目にかかったときにはもう名字が「紫原」になっていたんですけど。そのとき僕、「紫原明子さんて何者だろう?」って思ってて、家入明子さんと一致しなかったんですよ。だから、ご挨拶もろくにせずに失礼しました。

紫原 とんでもない。

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枡野浩一

歌人。1968年東京生まれ。小説『ショートソング』(集英社文庫)ほか著書多数。短歌代表作が高校の国語教科書(明治書院)に掲載中。阿佐ヶ谷「枡野書店」店主。二村ヒトシさんとのニコニコ動画番組『男らしくナイト』(第1回は9/24夜)、中村うさぎさんとのトーク企画『ゆさぶりおしゃべり』(第1回は10/7夜)など、最新情報はツイッター【@toiimasunomo 】で。

@toiimasunomo

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