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映画『もののけ姫』が映し出す、女性や病気のある人を排除する日本社会

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大和彩

病気なりに、健康に暮らす。

プロジェクトYSJ 出張報告書【14】

 先日発足した「プロジェクトYSJ(夢子に精神科を受診させる)」の続きですうつ。これまでの報告については、こちらをご覧いただきたいうつ。

 精神科の受診はなんだか気が重いけど、水素水は積極的に飲んだり、うつに効くお祓いや温泉があれば行きたいという夢子。なぜ夢子がそのように思うのか、その原因について探っているうつ。

うつりん「での滝治療がどんな様子だったか話す前に、大正9年(1920年)発行の呉秀三(くれ しゅうぞう)・樫田五郎による『精神病者私宅監置の実況』という本に載っている文を紹介するうつ。ちなみに呉秀三(1868‐1932)は、日本近代精神医学の建立者、第一人者とされている精神科医うつ」

『もののけ姫』サンは精神病者か?

“我が国において古来精神病は一種の疾病とみなされていたが、その思想の背後には宗教的観念が潜在していた観がある。中古以来、草子や物語の類に物気(もののけ)と称するものがあり、これらの多くは皆、精神病のことである。神人の生霊、死霊の祟りによって生じるものと思われたり、あるいは精神病を狐、狸、犬、猿等が憑依したものだという迷信も少なくなかった。

このためその治療法も医師の手にゆだねられるよりは、むしろ神官、僧侶の言葉を聞いて、禁厭(きんえん)、誦経(ずきょう)をもってこれをお祓いしようとし、その間さらに一種の水治療を応用して病者の治癒を期待するという風習もはなはだ盛んであった。このような因習は綿々と絶えなかった。精神病に対し霊験あらたかであると喧伝されている神社仏閣に参籠(さんろう)する者は今に至ってもすこぶる多く……“ (太字、アンダーラインは筆者) ※1

うつりん「……読んだうつか? これまでうつりんがくどくどくどくどと夢子にいいつづけてきたことが、専門家の言葉としてバシッとまとまってるうつよ! これ以上簡潔な表現はないってくらいわかりやすい! さすが呉先生・樫田先生、説得力が違ううつ! はぁ~、うつりんもっと早くこの資料にめぐり合いたかったうつ~」

夢子「ところでさ、『もののけ』って精神病のことなの? 『もののけ姫』に出てくるサンって精神病だったのかな?」

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