インタビュー

女32歳、やりたい仕事をやりまくるため、突っ走った10年間/アニバーサリープランナー・田中彩子さん【1】

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 “アニバーサリープランナー”として活躍する田中彩子さん、32歳。田中さんが学生時代に設立し、今年で10周年を迎える有限会社Anipla(アニプラ)は、誕生日やプロポーズなど、お客さまの特別な「記念日」を演出する事業を展開しています。お会いしてみると、若手ビジネス経営者として一般にイメージされるバリキャリ!なタイプではなく、「やりたいこと」に突っ走る猪突猛進型の現場主義者。彼女を見ていると、起業って面白そう……とワクワクする気持ちが伝染します。「仕事が大好き、これまで続けてこられたことに感謝」という田中さんですが、この10年間、すべてが順調というわけではありませんでした。

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有限会社Anipla(アニプラ)代表者・田中 彩子さん

人材育成が難関

――設立10周年目を迎える有限会社Anipla(アニプラ)ですが、大学在学中に会社を立ち上げているんですよね?

田中 大学3年生の時にビジネスプランコンテストで優勝し、翌年、優勝賞金でゲットした100万円を元手に、自分の貯金と、共同で会社を設立した友人のお金、そして親に100万円借りて、語呂合わせが好きなので(笑)レッツゴー!の500万円を資本金にして有限会社Anipla(アニプラ)を設立しました。といっても、最初はオフィスもなく大学の先生にゼミ室やゼミ室のパソコンを借りて行っていました。電話も実家の電話番号を1個増やして携帯に転送して受付を行っていました。

――「Anipla(アニプラ)」はアニバーサリープランの略。事業内容は「記念日のサプライズをお祝いさせていただくお手伝い」ですが、もともと、人のお祝いの企画を立てたりすることが好きだったんですか?

田中 私の母が誕生日や四季のイベントなど記念日をお祝いすることが好きだったので、その影響もあって私も小さい頃からお祝いごとが好きだったんだと思います。起業のキッカケは、大学時代、友達との何気ない会話の中で「“記念日”は英語でアニバーサリーって言うんだよ」と言われた瞬間にビビビっと稲妻が走ったような感じで、いきなり、友達に向かって「あ!!私アニバーサリープランナーの仕事する!……アニプラやる!」って急になりました。その頃は、アニバーサリープランナーという言葉もなくて、職業はもちろん、そういった会社もなかったので、それならば、自分で起業しようと思い立ちました。

――事業規模を知りたいのですが、今、大体1カ月に何件くらいの依頼を受けているんですか?

田中 1カ月で150~200件くらいの依頼をいただいています。12月や3月の繁忙期ですと250件以上いただき、ありがたいことにキャンセル待ちの日もあります。1日でサプライズを10件お手伝いさせていただく日もあります。ブライダル業界と違って単価は2~5万円程度でリーズナブルなので、ブライダル1件分(数百万円)の売り上げを出すには私たちは80件くらい行う必要があります。今は4人のスタッフで一生懸命、力を合わせて頑張っています。

――わずか4人で?

田中 はい、4人で精一杯頑張っています。多忙なときはみんな筋肉痛になってます(笑)! この間、数百個のバルーンを作ったメンバーが、指の筋肉痛になってました(笑)! そのため、私もお葬式や結婚式くらいは休みを取らせていただくのですが、基本的に休みはないです。8月はおばあちゃんの誕生日会をしましたが、仕事と仕事の合間に3時間だけ抜けてお祝いに駆けつけました。ただ、毎日、お客様からHAPPYをいただけるので楽しい日々です。

――お仕事の内容としては、ユーザーさんからの依頼に合わせて、記念日を祝う場所(ホテルやご自宅)にスタッフが伺い、バルーンや写真、お花などを使った装飾を行うサプライズパーティー準備プランや、リムジンを手配したりバースデーDVDを作成するプランなど多岐にわたりますよね。現場には、田中さん自ら行かれて装飾をやられてるんですか?

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ホテルの一室をバルーン装飾。サプライズバースデー!!

田中 ついこの間までは現場に出ていましたが、1人、2人とメンバーが少しずつ増えてきたので、今は基本的にご要望が多い内容のお客様の対応や法人様の大きな案件を私が担当しています。お客様のご要望に対するアイディアや柔軟な対応をさせていただくためには、現場をこなしていないと判断ができないので、まず、みんなにはたくさん経験を積んでもらうため、制作からスタートして、次に現場、そして、電話対応していくという流れになっています。制作というのは貸出しているドレスの洗濯や修理をしたり、バルーンを膨らませたりです。外注するよりも自分たちの手で行うことにより、より細かい対応ができるようになります。根本を知るということはとても大切なことです。

――人材の育成が急務ですね。

田中 人材育成はとても急務です。言い訳になってしまいカッコ悪いんですが、人生の中で縦社会という経験をしてきませんでした。部活やサークルで先輩後輩のやり取りもあまりなく、社会経験もなく起業し、かつ、一緒に起業した友人が退社して、私が1人で全部やっていた時期が2年間ほどありました。そのため、自分で考えて自分で解決するというのが身についてしまい、みんなにやり方を伝えたり相談したりというのが下手でした。そのうち、ひとりでは抱えきれなくなり、家族や友達に手伝ってもらうことも増えてきて、ぼんやりと仲間をいれたいなと思いはじめました。そんな中、嬉しいことに、全国放送で、わたしのドキュメンタリー番組があり、それをご覧くださった方々から手紙やメール、電話を100件以上いただき『わたしもアニバーサリープランナーになりたいです!』という連絡もいただきました。その中には小学生や中学生もいました。経営者というより職人に近かった私ですが、そういった感無量な声に自分の使命は『たくさんのサプライズを提供することと、アニバーサリープランナーの働く場を増やすことだ』と思い、強く、仲間を増やしたいと思うようになりました。ただ、そのとき、人を増やしたり、教えたりするのはどうやったらいいのだろう?と考えました。いきついた結果が、『早朝の2時間、マクドナルドでバイトする』。でした。

――なぜ、マックでバイトを?

田中 面接のやり方もわからないし、どんな質問をすればいいかもわからない。そのあと、どうやって研修すればいいかもわからない。そんなわけで、単純に本を読むよりも実践だな、と。マックは本当に勉強になりました。面接の仕方も研修もお客様対応もすべてです。例えば、先輩の指示を受ける立場になってみて、こういう言い方で注意してもらえると一生懸命頑張ろうって思うな、とか。新人の立場から人材教育を学ぶことができました。でも、まだまだ苦手は苦手なままなので、今も勉強中です。ありがたいことに仲間たちが全員、人間力のある最高のメンバーなので、大切な部分をしっかり分かってくれていて心強いです。

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