連載

「男ウケとか関係ねーし」だったはずのギャルが、清楚系に続々転身の謎

【この記事のキーワード】
popteen201311

『Popteen 2013年 11月号』角川春樹事務所

 『Popteen』(角川春樹事務所)は、今年で創刊から33年を数える老舗のファッション雑誌です。ちょうど今月(11月号)は「33周年」の記念号、ということで手に取ったのですが、当連載開始以来最も面白いものに出会ってしまった気がします。当方、普通のアラサー男性会社員ですから、そこで感じた面白さには「最近の女子高生のファッションってこんな感じになっているんだ〜」という、端的に言ってオジサン的関心が含まれているわけですが、かつてはギャル雑誌の殿堂として鳴らした『Popteen』の内容の変化には驚きを禁じえませんでした。

 肌を焼いて、目も髪も盛りまくった「ギャル」のイメージはどこに行ってしまったのか。ギャルの「盛り」文化の名残は、ピンクのショートヘアーに舌ピアスが目立つ小堀美茄冬さん(みにゃとっち)にわずかに感じられるだけで、誌面を飾るモデルたちが身を包む衣装は、ギャルというよりはガーリーな印象を与える物ばかり。『Popteen』よりも少しターゲットの年齢層が高めのいわゆる「赤文字系雑誌」で取り上げられるファッションとあまり変わりがないのでは……? とオジサン目線の感想をつぶやきたくなりますが、「抱きしめたくなる愛されニット100!!」と言う記事は蛯原友里全盛期、2000年代中頃の『CanCam』でしきりに登場した「ゆるふわ」というキーワードを彷彿とさせますし、「可愛いGALを追求したらこうなった♥ 清楚な女のコの作り方♥」と言った記事からも、男ウケを狙ったようなナチュラル路線への転向が感じられるところが興味深い。

 一昔前には「女子高生ブーム」がございました。当時のことを思い返せば、女子高生たちがワイドショーの準主役のように取り上げられたり、各種メーカーが女子高生市場をターゲットに新商品の開発をしてたりして、ガチガチの不況のなかで女子高生だけが元気で無敵という空気感がありました。それが今や「愛され」で「清楚」……。もはや彼女たちは牙を抜かれ、男を媚びるようになってしまったのか……!? アレか、これもアベノミクス効果なのか!? 景気が良くなり、今度は逆に男性が元気に!! と判断するのは、あまりに浅はかです。盛り盛りのギャルから、清楚ギャルへの志向の変化には、もっとシンプルな理由があるように思われます。端的にギャルたちの「可愛さ」の基準が変化しただけで、別に男に媚びて清楚を目指しているわけではないのです。

「可愛いからやってるだけ」?

popteen201310

「清楚!!」ってでっかく打ち出してるわい(『Popteen 2013年 10月号』角川春樹事務所)

 しかし、どうしてそんな変化がおきたのか。ここにはファッション業界による仕掛けのほかに、世代的な影響が推測されます。今月号の「POP MODELS可愛くなるまでお宝写真ヒストリー」という記事を読むと、その直感が信憑性を増していきます。ここでは現在22歳から高校1年生までの人気POPモデル(※ 『Popteen』のモデルのこと)8人の幼少時代から現在までの写真が集められています(中学生から現在までは年齢が1歳刻みで細かく掲載)。これを見ると、どのモデルも中学時代からかなりガッツリとメイクをして、オシャレへの目覚めが早いことが分かります。そして、みんな一度は(およそ女子高生のときに)盛り盛りなギャルを通過し、今に至っています。

 盛り盛り期から清楚期の落差が最も激しいのは、西川瑞希さん(みずきてぃ 20歳)でしょうか。高1で金髪の黒ギャルに目覚め、その後、髪型や目の盛り具合が進化していく様は圧巻です。高2のときには、テキサスの荒野で発生した巨大竜巻のようなものが2つ頭部にくっついている、というゴージャス感な髪型になっています。それが高校卒業後、18歳時点の写真では、現在のお姿に繋がる美白清楚路線に乗っているのですから驚きです。あの竜巻みたいな髪型はどうしてしまったのか……。今のみずきてぃは、そうですね……、ちょっと加護亜依さんみたいでとても可愛いです。

1 2

カエターノ・武野・コインブラ

80年代生まれ。福島県出身のライター。

@CaetanoTCoimbra

[PR]
[PR]

messy新着記事一覧へ

Popteen (ポップティーン) 2013年 11月号 雑誌