他方、岡村非モテ当然派からは、「女を顔で選ぶようなやつがモテるわけないだろ」「理想のハードル高すぎ。自分を棚に上げて、相手に求め過ぎている」と、モテるモテない以前に、岡村の恋愛観・結婚観をよろしくないとする意見が多く上がっている。岡村と言えば、熊田曜子や新垣結衣などの顔がタイプと明言しているほど面食いなことで有名(ただ、熊田と新垣のルックスに相似点はほとんど見られないが……)。岡村にとっては容姿こそが結婚の第一条件だと公言しており、結婚相手の容姿は絶対に妥協できない、自分の好みの顔でなければ結婚できないとまで宣言したこともある。
岡村が美しい女性の集う芸能界に身を置くからそうなってしまったのかというと恐らくそうでもなく、一般社会で働く人々でも、「容姿が好みなら嫌なところも許せる」と、結婚相手の容姿にこだわる人はいる。何もルックスレベルが飛びぬけて高いものを求めているわけではなく、「好みの顔/体」は人それぞれなので、こうした価値観で結婚を決めること自体は珍しいものではない。しかし岡村は顔さえストライクならその女性と結婚したい、というのでもない。『ちょこっとイイコト』(テレビ東京系)のお見合い企画で付き合った飯野千寿について、「(彼女の)元カレが気になる」と発言した後に破局。飯野が岡村を支えていく自信がないという理由で交際を断ったのだが、たしかに岡村のすべてを受容して支えることは並大抵の胆力では出来なさそうである。
筆者はどちらかといえば「岡村非モテ当然派」の立場をとるが、失礼ながら、どうも彼は「理想の彼女」を求めているだけで、その「彼女」が自分と同じように人生を生きてきた個人であるということを認識できていないように見える。岡村の嗜好を先読みして何もかも岡村にとってパーフェクトな振る舞いをする女性なんてこの世にいない。策略のもとにそうした行動をとる人はいるかもしれないが、岡村は策略家は大嫌いである。であれば、理想のイメージと異なる仕草や言葉や過去にいちいち幻滅していたら、いつまでたっても真剣交際は出来ないだろう。幻滅したり失望したりしながら、お互いに相手のことを知り、わかりあっていくことで、居心地の良い関係性になっていくのが普通なのだ。「理想の女性」が欲しい岡村は、いわば女性にとって「お客様」状態で、居心地の良い男性にはなり得ないのではないだろうか。
今回ラジオでネタにした「美女全員にフラれた」というのも、そもそも岡村1人に対して7人もの美女が集まっている時点で、彼女を探すというよりはただのキャバクラ状態。女性からしてみれば、「ごはん奢ってもらって一緒に食べるぐらいなら良いけど、アフター要求はちょっと……」「接待感覚で来ただけだから、ガチ恋愛への発展は何としてでも回避したい」という気持ちがあったかもしれない。いくら自分が気に入るルックスの女性に出会えても、お客様の姿勢でいる限りは関係は発展しないということを肝に銘じてほしい。
(高野杏)
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