不倫が発覚してもさほど問題にはならなかったが、未成年者と飲酒していたことは看過できない。当然である。世の中には<未成年者飲酒禁止法>というものがあり、大人には未成年者に飲酒させないようにする義務がある。「親権者やその他の監督者、酒類を販売・供与した営業者に罰則を科す」と法律で定められているので、今回の川谷がほのかと飲酒したことは明確な違法行為となる。もう10年以上前の出来事になるが、2005年7月にジャニーズ事務所のアイドルグループ・NEWSのメンバーだった内博貴(当時18歳)と一緒に酒を飲んだとして、元フジテレビの菊間千乃アナウンサーが局から無期限謹慎処分を受けたこともあった。音楽の才能はともかくとして、川谷がこう次々に問題を起こす原因は、基本的な倫理観が欠落していることにあるだろう。未成年は守るべき対象であり、都合良く大人扱いして飲酒や恋愛対象にするべきではない。そんな当たり前のことをわからないまま、彼はまもなく28歳になろうとしている。
川谷という人はどうやらいったん恋に落ちると、まったく周りのことが見えなくなるタイプのようだ。そういうタイプだからこそ、人々の心に染み入るような歌詞を書くことができるのかもしれない。けれど、ベッキーとの不倫騒動以降、自分の一挙一動はマスコミの注目の的で、各週刊誌からずっとその行動を監視されていることぐらい、認識していたはずだ。まして自分が新たに好きになった女性は未成年で、しかも芸能界で活動する立場にある。自分やほのかが軽率な行為をすれば、自分たちの首を絞めるだけでなく、自分たちを売り出すために日々奔走している多くのスタッフや、番組や舞台共演者、レコード会社スタッフなど少なくない数の仕事関係者が迷惑を被る。注目を集める職業だからこそ、一般人以上に慎重さが求められるのだ。ににもかかわらず、おおっぴらに飲み歩き週刊誌に写真を撮られる甘さ。ほのかの飲酒をたしなめ、その行動がどんなに大きな事態をまねくことになってしまうかを諭すことはできなかったのだろうか。本来ならば8歳年上の大人の男として、また芸能界の先輩として「ぶっ飛んだロック少女」だったというほのかを、導く立場にあったはずである。
(エリザベス松本)
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