連載

揺れる配偶者控除 今さら聞けない「配偶者控除」の仕組みをゼロからわかりやすく解説!

【この記事のキーワード】

banner500*

 こんにちは。ファイナンシャルおねえさんこと、ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。

 お金の世界には、「今さら聞けないこと」が大量に存在しているような気がします。お金に関する仕事をしていて感じるのは、そうした言葉や仕組みに対し、男性は謎のプライドで知ったかぶりをし、女性は無意味な謙遜で避ける傾向があるということ。結局、どちらも理解にほど遠いのは言うまでもありません。

 お金の知識については、家庭でも学校でも社会でも教わる機会はほぼ無いので、仕方がないと思います。しかしこうした知識は突然必要になってくるものです。皆さんが少しでも「理解」に近づけるように、今回はできるだけ個人的な意見を挟まずに事実を解説していきたいと思います。

 さて、前回も取り上げたように、今「配偶者控除」についての議論が揺れに揺れています。今回も引き続き「配偶者控除」について解説していきましょう。「配偶者控除」という言葉は、専門用語の中では広く普及しているので、何となくわかっている方も多いかと思いますが、話題の制度ですし、「控除」は他にも応用が利く考え方なので、これを機会に誰かに教えてあげられるくらいに理解していただければと思います。

「収入」と「所得」は別モノです

 年収、つまり年間の「収入」を答えられない会社員はあまりいません。なぜなら、毎年もらう源泉徴収票の一番目立つ左上に書いてあるからです。でも私はこの仕事をしていて、「所得」を正確に答えられる会社員とは会ったことがありません。それどころか、「収入と所得の違いがわかりません」とか、「所得とは、税金を引いた額ですか?」との反応が大半。まずは「所得」と「収入」が別モノであることを押さえてください。

所得=収入―必要経費

 「所得」とは「収入」から「必要経費」を引いたものです。この「所得」は「控除」を理解するために必要な言葉ですから、まずはこの関係をしっかりと頭に叩き込んでください。

 それでは「必要経費」とは一体何なのでしょうか? 自営業・フリーランスの人が買い物をするたびに「領収書ください!」といっているのを見かけますよね。あの類のお金のことを「必要経費」と言います。では会社員の方はどうでしょうか。会社員も、明らかな仕事上の接待・食事などで領収書をもらうことがあります。しかしこれは会社の経費を立て替えただけで自分の経費ではありません。ですから、あなたの所得には関係ないのです。では、会社員に「必要経費」は存在しないのでしょうか?

 いえいえ、実は、会社員にも国が認めている必要経費なものがあるのです。例えば、どう考えても仕事専用のスーツや靴など、何かと自分のお金で買っていますよね。そんなときいちいち領収書をもらわなくてもOKなのは、国が「会社員だって、スーツとか靴とかこの会社にいるから自腹で買っているものだってあるよね。それは必要経費ってことにしてあげるね!」と、勝手に必要経費の計算式を決めてくれているからです。年収によって必要経費なものの金額は自動的に決まる仕組みになっていて、例えば年収500万円なら154万円となります。

 この会社員の必要経費なもののことを「給与所得控除額」と言います。源泉徴収票をすぐに確認できる方は、年収(支払金額)の右側を見てください。「給与所得控除の金額」という記載があるはずです。つまり、これがあなたの「所得」なのです。

1 2

川部紀子

1973年北海道生まれ。ファイナンシャルプランナー(CFP® 1級FP技能士)・社会保険労務士。大手生命保険会社のセールスレディとして8年間勤務。その間、父ががんに罹り障害者の母を残し他界。親友3人といとこも他界。自身もがんの疑いで入院。母の介護認定を機に27歳にしてバリアフリーマンションを購入。生死とお金に翻弄される20代を過ごし、生きるためのお金と知識の必要性を痛感する。保険以外の知識も広めるべくFPとして30歳で起業。後に社労士資格も取得し、現在「FP・社労士事務所川部商店」代表。お金に関するキャリアは20年を超えた。セミナーに力を入れており講師依頼は年間約200回。受講者も3万人超。テレビ、ラジオ、新聞等メディア出演も多数。

twitter:@kawabenoriko

サイト:FP・社労士事務所 川部商店 川部紀子】

[PR]
[PR]

messy新着記事一覧へ

知識ゼロでもたった3日でFP3級に受かる勉強法