連載

ツリマユ・たらこ唇・いじめられっ子のヒロインが幅広い女子の共感を呼んだ普遍的作品/『ご近所物語』

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ご近所物語

りぼんマスコットコミックス『ご近所物語』1巻/集英社

 「りぼん」は読んでいないけど矢沢あいなら知っている、という人も少なくないだろう。90年代、多くの少女たちを魅了した矢沢あいは、1999年以降「りぼん」以外の媒体でも『Paradise kiss(パラダイス・キス)』『NANA-ナナ-』といったヒット作を生み、10~20代女性を中心とした読者の心を鷲掴みにした。現在休載中の『NANA-ナナ-』に至っては男子もハマるほどで、私も最終回を読み終えるまでは死んでも死にきれない、絶対に。

 今回紹介する『ご近所物語』は1995~1997年の「りぼん」で連載されていた矢沢あい作品である。矢沢あいの名を一躍有名にした『天使なんかじゃない』(1991~1994年)の次作にあたる。

 『天ない』のヒットは凄まじく、現在も読み語り継がれている少女漫画の不動の名作といっても過言ではない。リーゼントの生徒会長・須藤晃が「おれがおれの手で幸せにしてやりたいと思うのはおまえだけだ」と主人公・冴島翠に言うシーンなんて、少女漫画絡みのランキング(胸キュンとか名言とか)で必ずランクインしている。高校の生徒会がメイン舞台だった『天ない』だが、まだ小学生の読者も胸が高鳴り感情移入できるような普遍的かつ王道かつ直球の少女漫画として構成されていた。

 ところが『天ない』の最終回からわずか数カ月後、待望の新連載として「りぼん」の巻頭を飾った『ご近所』は、雰囲気がなんだか違っている。いや、中川ケンという『天ない』にも登場したキャラが出たりもするけど……。

意地悪そうな顔の主人公・実果子

 『ご近所物語』の主人公・幸田実果子はファッションデザイナーを志し、矢沢芸術学院(ヤザガク)に通う高校1年生の女の子。ヤザガクは4つのデザインコースに分かれていて、午前中は英語や体育といった一般の高校と同様の教科も受けるが、午後は専門コースの勉強をみっちり行う。実果子には山口ツトムという幼馴染みがいて、生まれた時から同じマンションのお隣同士、高校もコースは違うが同じヤザガクで毎朝いっしょに通学している。物語は、ずっとご近所だった実果子とツトムの恋愛と、2人が所属するヤザガクのフリマサークル「何でも作って売っちゃう会『アキンド』」のメンバーが織り成す人間模様、そして実果子がデザイナーを目指して邁進する姿が描かれる。『ご近所』も、高校生の青春&恋愛ものという点では『天ない』と同様なのだが、その世界観はがらりと変貌する。

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中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

Blue girls bravo!

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