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ジェンダーギャップ指数ランキングに一喜一憂すべきではない理由

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Photo by Jim Rush from Flickr

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最近、『逃げるは恥だが役に立つ』(講談社)を読みました。

ネタバレとなってしまうため、ドラマを楽しみにされている方は注意していただきたいのですが、院卒で、就職に失敗した主人公が父親に紹介された男性の家の家政婦の仕事を請け負うところから物語が始まります。男性側が必要とする「家事労働」と女性主人公が必要としている「賃金」と「居住地」という互いのニーズを充たしつつ、お互いに生活費や社会保障費を下げることもできる一石二鳥の方法として契約結婚をするが、なんだかんだで恋に落ちてしまい、愛情ある結婚をしようとする……という展開になっています。

主人公の女性は、雇い主である「夫」と恋をするところで「本当の夫婦になったら今やっている仕事としての『主婦業』に対してお金はもらえるのだろうか。それとも愛情の名のもとにただ働きしなければならないのだろうか。こんなことを言って興ざめされて嫌われても困る。どうしよう」と悩みます。

「誰が家事を担うのか」「家事にどのくらいの値段をつけられるのか」というのは、どんな理由であれ家事ができない人にとっては大きな問題です。また、女性の社会進出や労働参加率を上昇させ、男女賃金格差を縮小させようとすると、家事や育児、介護といった「ケア」の外注は避けては通れない問題になります。一方、「ケア」の仕事は必ずしも待遇の良い仕事ではありません。日常的に家事・育児をしている専業主婦の人たちも「私のしている家事労働はいくらなのか」という疑問を持つことは少なくないでしょう。

世界経済フォーラムは毎年、グローバルジェンダーギャップレポートを発表しています。このレポートは主に女性の経済活動における困難についての関心を高め、経済界が率先して経済活動における女性差別を撤廃していこうという注意喚起のレポートでもあります。経済活動への参加と機会、教育達成、健康、政治的発言力といった項目からなるこのレポートが発表されるたびに、日本のランキングの低さが話題になります。

先日、発表された2016年のレポートでは、日本のランキングが昨年の101位よりさらに下がり、111位と大きく後退しました。今回、日本のランクが大きく下がった要因は全項目での順位が下がったというわけでもなく、いくつか大きく順位を下げた項目があるからです。

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古谷有希子

ジョージメイソン大学社会学研究科 博士課程。東京大学社会科学研究所 客員研究員。大学院修了後、ビジネスコーチとして日本でマネジメントコンサルティングに従事したのち、渡米。公共政策大学院、シンクタンクでのインターンなどを経て、現在は日本・アメリカで高校生・若者の就職問題の研究に従事する傍ら、NPOへのアドバイザリーも行う。社会政策、教育政策、教育のグローバリゼーションを専門とする。

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