「僕はお付き合いなんてしませんよ。結婚する気なんてありませんし」。徳山の若社長、なんとこの家を守る気ゼロでした。さらに、この屋敷と会社の経営権を買ってくれとお願いする始末。これは福子への裏切りであるわけなんですね。のみならず、「先代が必死で築き上げてきたものをそんなに簡単に手放すなんて、この私が許しません!」と責める福子に「なんであなたの許しを貰わなきゃいけないの? 」「かーさんと呼んでいたのも”家政婦さん”を略しただけ」「飽きちゃった、仕事にもこの家にも、それにあなたにも」と残酷な言葉を次々に浴びせます。やだ、夏木マリ姐さんをそれ以上侮辱したら許さないぞ!!!
税務署の調査が入ること、横領も嗅ぎ取られているらしいと知った徳山は、「もう少し家政婦をしてもらうよ。全部キミが勝手にしたことにしてくれよ」。さっきまであんなに憎らしき福子がとても不憫に感じました。乳母的存在で我が子のように想っていたのは福子だけで、若社長は彼女を見下しまくっていたわけですね。若い家政婦にはセクハラし放題だったわけですが、福子がモミ消すことで徳山の名誉を守っていました。福子から若社長への手厚いサポートの数々……「愛情」って、別に正義じゃないんだよなと思わされます。というわけで今回、晴れの舞台で“崩壊”を起こしたのはミタゾノではなく若社長でした。では、ミタゾノは一体、何をするのか?
翌朝、すっかり落ち込んだ様子の福子は、先代当主との思い出をミタゾノに打ち明けます。同情の言葉でもかけるのかなと思いきや、ミタゾノがそんなことするわけないんですね。「家政婦は家政婦ですよ」と宣告し、ミタゾノの静かなマシンガントークがはじまります。「本物の家族以上の関係になれるなんて、そんな夢を見ているようじゃ……あなた、家政婦失格ですよ。では」。
ミタゾノが去ったのと入れ替えに、「税務署が来たから早く自首しろ」と福子の元にやってきた徳山はワインの存在に気が付き、「アンタも貰ってたんだ」と笑います。意味のわからない福子。徳山が突きつけたのは、「(先代は)安物のワインにラベルを貼り付けて、関係を持っていた女に配っていた」という事実……。盲目的に主人を信じてしまった福子もバカですが、だからってこれで福子だけが逮捕されたら納得いきませんね。誰が招集かけたのか、お屋敷には過去に理不尽な理由で解雇された家政婦たちがズラリ。「今日のご指示を!」と勇ましい! 福子も吹っ切れたのか、「敵は徳山。この薄汚れた家を大掃除します!」と力強い指令! 税務署職員たちの前で通帳と印鑑の束を発見したり、福子の指示により書棚の後ろの隠し扉を開きたくさんの金塊を白日の下に晒したりで、もう徳山も言い逃れできません。札束ではなく金塊って! あ、それで最初の方に書棚が倒れたシーンと繋がるわけですね。
今回は、途中まで完璧に騙されました。福子も破滅と再生をしていることには変わりないですが、ミタゾノの手によって……というワケではなかったですね。見守る役に徹していたミタゾノさんは、最初からこうなることに気付いていたのでしょう。にしても、夏木マリの存在感そのものがカッコイイですねぇ。
ラスト、見逃せないシーンがありました。執行猶予となり、徳山家の屋敷を出た福子に「よろしかったら、お茶でもいかがですか?」とヤケに男らしい野太い声……あれ? 休暇を取っているミタゾ……いや、松岡くんですよ! ファッション的にもTOKIO松岡ですよ! 三話めにして初の男性姿です。どういう設定? 何なんだ? 気になります。
来週は、「40歳年下のぶりっ子妻」。もう言葉の響きからして、見ていてイラつく予感。加藤茶さんちはチャンネル合わせちゃダメな予感がしますね!
(ドラマ見届け人:トミジョー)
――
『家政夫のミタゾノ』レビューはコチラから!
▼女装・TOKIO松岡の半端ない仕事人ぶり!『家政夫のミタゾノ』は痛快か胸糞か
▼財産に群がり「寄生虫」化した息子夫婦! 40歳年の差妻の目的は「愛」か「お金」か。/『家政夫のミタゾノ』第四話レビュー
▼見ず知らずの「泥棒」を「お父さん」と慕う少女。4時間の“親子ごっこ”は何のため? /『家政夫のミタゾノ』第五話レビュー
▼「愛され教師」の裏の顔を掘り起こす! ミタゾノが本当に破滅させたいのは誰だっ!?/『家政夫のミタゾノ』第六話レビュー
▼「人」も「干物」も味を出すのに必要なものとは? /『家政夫のミタゾノ』第七話レビュー