完全に大破綻の予感しかないが、ともあれ出番を獲得し(他のデカダンスメンバーも、謎の研究者やら自衛隊隊長やら大統領やらメインキャストをゲット)、現場に留まれるようになった。そのおかげで大空を警護し続けられるようになったのだが、一安心するのもつかの間、今度はなんと大空が脇役に追いやられてしまう。しかも、犯人がいると思われるアイドルたちと核シェルターに避難させられることに(なぜか刑事ゾンビが巨大生物となって大暴れしている)。密室の中でアイドルたちと大空を一緒にしてはまずいと、慌てるデカダンス。その様子をみて勘違いした監督は、「辰屋がそこまでいうなら」と大空に最後のチャンスを与える。
実はこの大空、アイドルにありがちなように(?)、めちゃくちゃ演技が下手なのだ。セリフはすべて棒読みだし、大声をあげれば裏声に、立ち振る舞いもぎこちない。当然、今回も大根役者のまま……と思われたが、自身の境遇とセリフが重なった瞬間に覚醒する。
「なぜあの生き物と私たちは……憎しみあわなければならないのでしょうか。ふとした運命のいたずらで私たちは一緒にいられなくなってしまった。でもともに過ごした思い出は決して消えはしない。あの頃の気持ちは今だって僕らの中にしっかり残っている。お前だってそうだろう。優しかったあの頃にお前も戻ってくれよ!」
とヤり捨ててきたアイドルたちに向かって語り出す大空。共演者のアイドルたちも、監督も、デカダンスのメンバーもその姿に胸を打たれ、大空自身も「感情移入できたというか、言い慣れているというか」と自分の演技に戸惑う。
そのとき、手に持っていたナイフを床に落とす人物が。その人物こそ、大空を最初に襲った犯人、監督の通訳だったのだ! ……そのあとなんやかんやとあり第6話は終了。
普段ドラマどころかテレビをほとんど見ない筆者だが、『潜入捜査アイドル・刑事ダンス』はもともとギャグタッチのドラマということもあって、ここまで斜に構えずに、それなりに楽しんできた。しかし冒頭でも書いたように、今回は正直とても微妙だった。その理由は、たぶんあるあるネタが少なかった、あるいは(筆者が普段テレビをみないせいか)ぴんとこなかったせいなのだと思う。