さらに、日野さんに誘われた飲み会で、みくりが出ていったことを知っている風見さん(大谷亮平)と言い合いになり、爆発。日野さんや沼田さん(古田新太)もいたので、あくまで「風見さん宅に来ていた家事代行の女性が休んでいる」という話から始まり、「彼女は自分の言動に責任を持つタイプだし、よほどいたたまれないことがあったんじゃないですか」と平匡さんをチラチラ見ながら嫌味をぶつニセ野内に、平匡さんは震えた声で「知らないなら、何も言わないでください」と珍しく感情的に。風見さんが「事情は知りませんが、津崎さんより僕のほうが彼女のことを知ってるかもしれない。『見えている』と言うべきか」と続けると、「何が見えているか知りませんが、違うものが見えていて当然じゃないでしょうか。僕とあなたはあまりにも違う。僕はこんな場所で人に皮肉をひっかけるような自信に満ち溢れる人間じゃないし、生き方も見た目も何もかも違う。根本的に違うんです」と一括したのでした。
飲みすぎて潰れた平匡さんを、百合ちゃん(石田ゆり子)が車で迎えに来て、風見さんも同乗したことで状況は一変します。平匡さんとの言い合いで「中学時代を思い出した」と、風見さんは百合ちゃんに初めての彼女について話し始めたのです。何でも、当時の風見さんはモテたのですが、彼女は地味めな女の子。ある日突然、周りから釣り合ってないと言われることに落ち込み、「風見くんといるのが辛い。風見くんにはわかんないよ、私と風見くんは全然違うんだもん」と言われたのだとか。「そんなこと僕に言われてもしょうがない、自信がないのは彼女の問題なのに。『あなたにどんなに拒絶されても、僕は大好きだよ』って言ってあげればよかったんでしょうか。向こうは僕の気持ちなんか考えちゃいないのに、自分ばかり見ている彼女に何を言えばよかったんでしょうか」と嘆くのです。この時、すでに目を覚ましていた平匡さんは、ハッとするんですね。
平匡さんは家に着くと、今まで自分の気持ちでいっぱいで手に取ることもしなかった“料理の入ったタッパー”を見漁ります。すると、そのひとつひとつに手書きの献立と「今日も1日頑張りましょう!」「38度のお風呂に浸かるとリラックスできますよ!」「今日は秋の根菜たっぷりです!」なんてメッセージが。そして、その料理を食べながら「どんな思いで作ったんだろう」「どんな思いでここを出ていったんだろう」「あの時(あの夜)みくりさんは、どんな思いで……」と、ようやく初めてみくりの気持ちを思い巡らすのです。