さて。その間のみくりはと言いますと。実家には母の看病に義姉とその娘、さらにみくりに言われて野菜を届けに来たやっさん(真野恵里菜)、週末には兄(細田善彦)まで集まっていました。精密検査をしてきたという母は、「もし私が先に死んだら、お父さんはどうなるんだろう、いいチャンスだ」と、骨折を機に、父に厳しく家事を行わせていました。何もできない父に不満を抱えつつも「愛してるわよ、お互いに努力して」「運命の相手ってよく言うけど、私そんなのいないと思う。運命の相手にするの。意志がなきゃ続かないのは、仕事も家庭も同じじゃないかな」とみくりに伝えます。実家での生活の中で、みくりはみくりで「誰かを誠実に愛し続けることは、ものすごく大変なことなのかもしれない」「人の気持ちは変えられないけれど、人生のハンドルを握るのは自分自身」と気付いたのです。
その翌日。平匡さんから着信があり、「みくりさんに言いたいことがあります」と、先に話したいと言うみくりの言葉を遮って、平匡さんは童貞であることを告白。あの夜は「失敗したらどうしよう」「10歳も年下の相手にリードされる自分が情けない」と思っていたこと。みくりの気持ちをまったく考えていなかったこと。未経験だと知られることが怖かったことを語り、「ごめんなさい」と謝ります。
するとみくりは、「知ってました。でも、私にとってはたいしたことじゃありませんでした。でも拒絶されたのはすごくショックでした」。童貞だって知ってたんですね!? 「このまま館山で市議会議員になろうかなって。そういう人生もありかなって。そう考えたら気が楽になりました。他の道もあるんだから失敗してもいいやって。これから303号室に帰ろうと思います。もう一度会って話を……」と言ったみくりに、平匡さんは食い気味に「会えます、今すぐ近くに。会って、火曜の分の、ハグを!!!」と自らハグを提案したのです。これにはみくりも「はい!!」と笑顔で返事をし、2人して走り出したのです!