坂上としては「思ったことをそのまま口にしただけ」、あるいはただのコミュニケーションで、悪意は見えない。つまり高橋を傷つけようとか嫌な思いにさせてやろうとかの意図がないということである。ナチュラルな公開セクハラである。ただ、テレビで「おっぱい」について発言することが不適切だ、ということではなく、「おっぱい大きいですね」と女性にきくのもコミュニケーションだ、という誤解を広めるという点で罪深いと考えられるが、そうした意識は坂上にはおそらくない。この場面について「スポーツ報知」がネットニュースを出しているが、そこには「これには高橋も体をくねらせて照れ笑い」とあった。照れ笑いか苦笑か、認識はそれぞれなのだな。
ちなみにそれこそ「全然関係」ないかもしれないが、その直後に流れた“LIONのCM”は、女子児童の生理痛および生理痛薬について、女性が坂上にグラフを使って説明したうえで商品を紹介し、「女心に鈍感な坂上さん、少しは女心がわかりました?」と言うもの。坂上はかしこまって「(受験の)本番の日にお腹が痛くなったら大変ですもんねえ」「(生理痛で苦しむ女子は)そんなに多いんですか!?」「(娘の生理痛に)気付いているお母さんも、自分が飲んでいる薬はあげられないですよね」等とセリフを言い、小児用生理痛薬の紹介をアシストする内容だ。<女子児童を持つ女親>である視聴者層を狙ったCMである。好んで『バイキング』にチャンネルを合わせる層には有効なCMなのかもしれないが、筆者にはしらじらしい演技が目について仕方がなかった。
(清水美早紀)
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