今回語られた西野氏の主張は、〈ポジティブシンキングでどうにかしようとすると勇気とかがついてまわるから、ハードルが高くなる。だからロジカルシンキングになるべき〉というものです。
たとえば海外旅行。各種手続きやトランジットの方法を知っていれば、別に勇気は必要ないでしょ? と。 そのように、必要なのは勇気ではなく〈把握力〉であり、何でも逆算して計算すれば、難しいと思っていたことでも簡単に踏み出せるとアドバイス。この話が、「世間のルールに縛られないで!」「自分を信じて!」と闇雲に畳み掛けるHappy氏を暗にディスっているように聞こえてしまい、ほんのひととき、ほっこりできた瞬間でした。
ちなみにHappy氏はそれに対しては、
「常に全部を自分のハートとずれているかずれていないかだけで判断する。それをしないと手詰まり・苦しみ・自分の人生の展開が起きない、ということがわかっているので。ずれたときには動かない、そういう場所にはいかない、そういう人とはつきあわないって決めていると、結果的に、嫌な人とはつきあわなくなっちゃうんですよ」
と説明。ええとHappy氏的にはそれが宇宙ロジックなのかもしれませんけど、結局のところスピリチュアル方面のお話ですから、現実の数字をとらえて考えたりする西野氏が言うところの把握とは別モノで、考え方をポジティブにするという話の範疇なのではないですかね?
キンコン西野、スピ女子に匙を投げる
さらに西野氏は、日頃からライバルと公言しているディズニーが、ひとつの理想を目指す〈一神教〉であると解説。「王子様が迎えに来てくれてお姫様になる、それから外れた人は誰も救われない」と語り、それがよかった時代もあるけれど、これからは多様性が必要と続きます。他には、こんな例えも登場しました。自然界は必ず奇形という規格外が生まれるようにできている。すべてが均一であると、環境が大きく変化したときに全滅してしまうから。だから、それぞれの形で間違っていないんだよと。とても、分かりやすい。
これらの西野トークから、「常識にとらわれない」「こうでなくてはならないという洗脳から抜け出そう」と言いながら、「スポットを浴びて賞賛されることが女の輝き!」という枠から出られないHappy氏の浅さが露呈した結果となりました。しかも、西野氏がどんないい話をしても、「西野さんは特別な脳みそをしてるから~」と、ひたすら一般の人がどれだけ自己否定にさいなまれているかしか繰り返さないHappy氏。ラストは「もう飲みに行っちゃったらいいですよ! 酔っぱらったら悩みも分からなくなるでしょ」と匙を投げたご様子の西野氏、大変お疲れ様でございました。
今回のイベントでは、〈なんでもアリ〉的な一般人の自己PRタイムもあり、1日目にはステージ上でバク転に失敗し、骨折したという事件も勃発。その女性はギプス姿のまま、翌日のステージで踊るというファイトを見せてくれましたが、それをHappy氏はひたすらネタにして「オモシロすぎる!」「こんな人が昨日いて! すごすぎません!?」と笑いもの扱いです。「こんなレベルでも好きなことやっていいんだ!」と思ってもらえるように、と語られていましたが、これではマニアックな人を呼んで語らせる『アウト×デラックス』ほか、類似番組の超劣化版にしか見えません。