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大量の謎と伏線を散りばめた大人ドラマのはじまり/『カルテット』第一話レビュー

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ドラマ『カルテット』

ドラマ『カルテット』公式webサイトより

 1月17日にスタートしたTBS火曜ドラマ『カルテット』。初回の平均視聴率は9.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。妥当な数字ではないでしょうか。

 放送前に番組㏋を覗いてみました。夢が叶わなかった30代の弦楽奏者男女4人が“偶然”出会って軽井沢の別荘で共同生活を送ることになりますが、(もちろん)それは単なる“偶然”なんかじゃなく大きな秘密がある……という“大人のラブストーリ”דヒューマンサスペンス”だそうです。“ヒューマンドラマ”はわかりますが、“ヒューマンサスペンス”ってちょっとややこしい言葉だな~。ちなみにタイトルに使われている“カルテット”とは、4人組あるいは四重奏という意味です。

 脚本は、「人間ドラマの名手」こと坂元裕二。『Mother』『それでも、生きてゆく』『woman』『最高の離婚』『問題のあるレストラン』など、社会問題含みのドラマを多く手掛けてきたベテランです。四重奏を組む弦楽奏者の男女4人を演じるのは、「30代を代表する実力派俳優」である松たか子(39)、満島ひかり(31)、高橋一生(36)、松田龍平(33)。なかなか濃厚な顔ぶれですな。個人的には、今から約20年前の90年代後半、小5の冬に見た月9ドラマ『ラブジェネレーション』でキムタクの相手役を演じていた松たか子と、“自分と同世代の女優”である満島ひかりが“30代実力派俳優”と同じカテゴリーに入れられていることに、ちょっとした衝撃を受けました……。確かに公式プロフィールではお2人とも30代なので、間違っちゃいませんが。

 第1話は、4人が“偶然”出会い、カルテットを組んで最初の演奏を披露するまでのお話。ある日、無職のチェリスト・世吹すずめ(満島ひかり)がストリートミュージシャン風に路上で演奏しているところに謎の老女(もたいまさこ)が現れ、1万円札を差し出しながら「すずめさんですよね? あなたにお願いしたい仕事があるんです」と声をかけてきます。老女は「この女性と友達になる仕事です」とすずめに1枚の写真を見せました。写っているのは元プロヴァイオリニストで現在はセレブ主婦の巻真紀(松たか子)。しょっぱなからきな臭い雰囲気です。HPの宣伝にもあった通り、出会いは“偶然”なんかではなく、仕組まれたものだということが視聴者にもわかるのですが、真紀、すずめ、ヴァイオリン奏者・別府司(松田龍平)、ヴィオラ奏者・家森愉高(高橋一生)は、“東京のカラオケボックスで偶然出会ってしかも4人とも弦楽奏者で、運命を感じて四重奏(カルテット)組むことになった”として、有名指揮者である司の祖父が所有する軽井沢の別荘に集まります。

 家庭があるから週末だけ別荘に来るという、結婚3年目、広告代理店勤務の夫を持つ真紀は、金持ちらしいのにじめっとした暗い女で、極度に声が小さく、目は泳いでいます。夫は「君の好きにしていいよ。君は君らしく」と週末のカルテットを理解している、と彼女は説明します。けれどいざ口を開けば核心を突くことを理論的に話しはじめる、謎多きキャラクター。

 トイレであろうがどこでだって寝られるすずめは、中途半端なハーフアップお団子のヘアスタイルで三角コーヒー牛乳ばかり飲んでいて、マイペースでやや不思議ちゃんの印象です。初めて4人が音を合わせる時は靴下を脱ぎ捨てて「はぁ~、ミゾミゾしてきたぁ~」とみすず用語も登場。クセが強いキャラです。

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中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

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