怒らないで聞いてほしいキュウ。そろそろ『この世界の片隅に。』のエロさについて語ってもいいキュウ?
だってだって、あたしもう我慢できないキュウ。
あの映画、キスシーンやら濡れ場やらがとんでもなくエロかったんだものキュウ。
原作も映画も、この作品はキャラクターではなく人間を描いているキュウ。
世界観ではなく世界を体験させてくるキュウ。だからエロかったキュウ。
あたし下半身も感動の涙でビショ濡れだったキュウ〜。
ぼーっとして見えて、色気のある女。
『この世界の片隅に。』の舞台は、広島。
主人公の“すずさん”は、絵を描くのが得意な普通の少女。
広島市の海沿いで海苔梳きの一家に育ち、若くして呉市に嫁に行くキュウ。
昭和19年、この時代、見合いすらなしに縁談がまとまることは普通のことだったキュウ。
すずさんは嫁に行っても少女みたいでぼーっとしていて、大人の女には見えないけれど、実は色気がある女だキュウ。
あたしにはエロ要素満載に見えたキュウ。
なにより、「ふつう」は奇跡の積み重ねでできていることを、すずさんは知っているキュウ。
初恋相手とプラトニック不倫!水原さんがエロいキュウ
結婚して呉の婚家で暮らす(旦那の家族に完全に馴染んでいるキュウ)すずさんの元に、幼馴染みで初恋相手の水原哲という海軍の男が出てくるキュウ。
すずと同郷で同い年。妙にファビュラスな甘い声してるキュウ。
少年期は無骨で無口なクールキャラ。軍人デビューしてからはチャラいリア充に進化するキュウ。たまにポエミーな台詞を背中で語るのがウザいんだけど、そこもまたエロいキュウ。
小学校卒業から会っていなかったはずなのに、軍人デビュー後、すずの嫁ぎ先に突然やってきて「皆さんにはすずが世話んなりよります」と、すずの旦那を牽制。
人妻になったすずを口説くわ、寝取ろうとするわオラオラのガンガンなんだキュウ。
巡洋艦 青葉の乗組員である水原は死と隣合わせの環境……エロくなってしまうのもしょうがないけど、すずはやんわり、でもしっかりワンナイトラブを拒んだのキュウ。
「普通であるすずを見て安心した」と、水原は「普通」「当たり前」を連呼してすずを褒めるのキュウ。
少女から人妻になっても、戦争がはじまっても、すずさんはすずさんのまま、変わらずに生きているキュウ。
身支度を整えて、家事をして、やるべきことをこなす。大切なものを見失わず、地に足をつけて生きている。
この普通をつづけることが、どれだけたくさんの奇跡の積み重ねでできているのか。かんたんに壊れてしまうものなのか。
水原もまたすずさんの奇跡を愛している。陸で暮らす人々よりも戦争という非日常を身近に感じている水原は、すずの「普通」が恋しくて会いたくてここに来たんだキュウ。
すずさんは、水原と自分を二人きりにした夫・周作に怒りを覚えていたけど、あたしはエロい軍人とプラトニック不倫したいキュウ~。
戦争と同等に性愛を描く。
すずさんの旦那・北条周作。4歳年上のイケメン。
わりとつまらない理由ですずさんを見初めて結婚するキュウ。
初夜のシーンでは、広島のローカルSEXルールを知ることができるキュウ。
当時の新婚初夜はセックス前にこんな形式上の会話があるんだってよキュウ。
夫「傘を一本持ってきたか」
妻「新なのを持ってきました」
夫「さしてもええかいの?」
妻「どうぞ」
……なんか露骨だキュウ〜。
傘はチンポの隠語なのか、まんこの隠語なのか。
妻が「新しい傘を持ってきた」ということは、やっぱり後者キュウ?
当然のように、10代で処女で嫁いだすずさん。
しかし映画では描かれなかった原作エピソードでは、周作の昔の恋を知り、やきもきするのキュウ。
(劇場版では描かれていないのは、もしかしてまだゲス不倫の影響キュウ?)
周作にはかつて思いを寄せる遊女・白木リンがいた。
えーーーーー!? 周作さんが風俗狂いなんて見損なったキュウ!!
し・か・も
結婚を考えるくらいどハマりしていたキュウ。
うわ~……キモい客だな周作。嬢にマジ恋とかきんもー★キュウ。
しかもすずさんは、道に迷って遊郭街に入り込み、白木リンと仲良しになっていたキュウ。
大切な友人だと思っていた白木リンと、愛する周作の過去……
原作で、すずさんがそれを知ってしまうシーンは衝撃的に描かれているんだキュウ。
自分が白木リンの代用品ではないかと気に病みセックスレスにもなってしまうキュウ……。
戦争を描くように、性愛がもつ暴力をも描く。こうの史代作品の魅力は、その残酷さだとあたしは思うキュウ。
あたしが一番好きなシーンは空襲のなかで周作と抱きあいながら言い争うシーンだキュウ。
夫への不信感を抱きながらも、愛しているその男を離せないすずさん。
人間らしいすずさんが大好きキュウ。
それでも続く生活の中で、すずさんは夫婦の信頼関係を積み重ねてゆく。
セックスレスも解消キュウ☆
それにしても夫婦セックスがエロかったキュウね。防空壕でチュッチュするシーンは臨場感あるチュパ音がエロかったキュウ~。
よく知らん男とのセックスはエロい。信頼関係を重ねたパートナーとのセックスはもっとエロい。
一周して新しい価値観「旦那とのセックスは逆にエロい」ということをあたしに気付かせてくれた映画だキュウ。
心の中にすずさんを持て。ホス狂いの片隅に。
この映画を見終わった後、すずさんが生きた世界の続きに、2017年に生きるあたしにつながっていると感じたキュウ。
「狂っている」「歪んでいる」「暴力で従えて…じゃけえ暴力に屈せんとならんのかね」
玉音放送を聞いたすずさんの怒りと悲しみは、今を生きるあたしたちの怒りと悲しみだキュウ。
戦争という理不尽な暴力は、今も形を変えて存在しているキュウ。
それでも希望を私たちに託して『この世界の片隅に。』の物語は続く。
2017年に生きるあたしはホストに狂っている。
社会という理不尽な暴力は、あたしをホス狂いに歪ませたキュウ。
狂っている、歪んでいる……。
ホストにシャンパンを煽られるたびに「金で従えて…じゃけえ金に屈せんとならんのかね」って泣き叫びたくなるキュウ。
すずさんのような「普通」の生活は守れないけれど、心の中の小(こま)いすずさんが語りかけてくれるキュウ。
すずさんはこんなこと言わないキュウ…
普通には生きられないあたしにも、リンさんは「誰でも何かが足りんくらいで この世界に居場所はそうそう無うなりゃせんよ」って笑いかけてくれるキュウ?