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隅々まで悪役が蔓延るホラードラマ『奪い愛、冬』、鬼気迫る狂妻・水野美紀に圧倒されるニセ野内と倉科/第三話レビュー

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「長すぎる髪の毛にカチューシャ」って人物造形もイイネ 『奪い愛、冬』公式サイトより

「長すぎる髪の毛にカチューシャ」って人物造形もイイネ 『奪い愛、冬』公式サイトより

 “ドロキュン劇場”こと、金曜ナイトドラマ『奪い愛、冬』(テレビ朝日系)。婚約中の女・光(倉科カナ)と元カレ兼元上司・信(大谷亮平)は、どしゃ降りの雨、タクシー捕まらない、という“偶然の産物”によりホテル(同室)で雨宿りをすることになりました。信さんは嫌いで別れを告げたわけじゃなかった……「光」ではなく「池内」って呼ばれて淋しい……と思っていたら今度は「光」って呼んでくれた……舞い上がる光。いよいよ光と信さんの焼けぼっくいに火がつくか、という“その時”、信さんの妻・蘭さん(水野美紀)が金田一少年も顔負けの推理力と洞察力と野生の勘(狩野英孝より相当強い)ですぐさまホテルの場所を探し当てて登場したのでした。光はクローゼットに隠れたものの、枕に落ちた長い髪の毛が見つかっていますし、蘭さんはクローゼットを“ガン見”……。光、ピンチ! ってところまでが第二話でした。

 第三話は、そんな危機的状況の続きから。クローゼット越しに蘭が不敵な笑みを浮かべ、ビクビクしている光(息が荒い)でしたが、蘭は最後まで開けることをしませんでした。ただし信と共に部屋を出る直前、光が潜んでいるクローゼットを見やって「じゃあねー」。怖いです。しかしながら蘭さん、杖ついているわりに随分すたすたと歩きます。二人が帰った後、クローゼットから出た光は「信さんの奥さんは、もしかしたら私に気づいていたのかもしれない」と不安げ。もしかしたらじゃなくて、100%気づいてるでしょ。どんだけ暢気なのか。あの狂妻の夫に近付いて殺されると思わないんでしょうか……?

▼水野美紀の股間に顔、三浦翔平の絶叫演技が棒でキュンキュンしづらいドロキュンドラマ『奪い愛、冬』/第一話レビュー
▼シャワーシーン多すぎ、ドン引きの三浦翔平フラッシュモブ、束縛妻「排卵日なのにーッ!」の絶叫/『奪い愛、冬』第二話レビュー

エッチもできない恐怖の婚前旅行

 自宅に戻った信は、光との馴れ初めを回想します。もともと同じデザイン事務所(光が今も働いている会社です)の先輩・後輩という間柄だった二人。生意気な新人である光に対して傲慢な態度を見せていた信ですが、真面目で一本気な光に惹かれていき、あるプレゼンで勝利した後「気づいたら、俺の中に光がいる。付き合って欲しい」と告白したんですね。鉛筆で描いた“光の似顔絵”を差し出して。信さん、クールな装いしていますがわりとロマンチストなんですね。そんな信さんの心の内を見透かしているに違いない妻・蘭さんは、ドライフラワーを握りつぶしたり、ベッドルームに誘い「できないの? もしかしてさっきしてきたとか?」とカマかけてきたり……。信さん相当ビビっています。

 そして、疑心暗鬼状態なのは蘭さんだけではありません。光の婚約者・康太(三浦翔平)も、どしゃ降り雨の日のことが引っかかっています。光は実家の母の元へ行くと言っていたのに、実際には行っていないと知った前回、康太は人格崩壊していました。あいにくホテルで雨宿り中の光は信さん一色、康太の存在を思い出す余裕などなかったでしょうに……。そんな康太の周りをちょろちょろしているのが、人の幸せがうざくて人のものが欲しくなるという最低最悪の同僚女性社員・秀子(秋元才加)で、一話、二話でも光と康太の仲を引き裂こうと身体を張って策略を巡らせていましたが、今度は康太に光の元カレ・信の誕生日を教えます。光さんの何かの暗証番号は元カレの誕生日かもよ~、ということです。なるほど……。とはいえ多忙な社会人、別れた後もついうっかりそのまま使用していることもあるような気がする……のが、筆者の認識ですが、自分の交際相手が元カレ・元カノの誕生日を暗証番号にしていると知ってどう感じるかはその時の状況次第ではないでしょうか。仕事に夢中だとなりふり構わずの光だから、信さんに別れを告げられた後もうっかり使い続けている可能性は十分ありそうにも思えますが、ちょうど疑心暗鬼に陥っていて光への思いが歪みつつある康太、光のスマホをガン見です。ですが、光にはそんなそぶりを見せず、誰もいない夜のオフィスでいちゃこら。康太、光を温泉旅行に誘います。またまた秀子がその様子をこっそり覗いているとも知らず。

 別に康太が好きっていうわけではなく、人のものを奪うのが快感なだけであろう秀子ですが、その快感を得るためには手段を選びません。康太の母親・美佐(榊原郁恵)が開くお料理教室に入会し(秀子って暇なんですかね)、郁恵ちゃんに「実は私、息子の康太さんと同じ会社で働いているんです」と挨拶、さらに「私、光さんが苦手で……」と、郁恵ちゃんが喜ぶことを言います。郁恵ちゃん「あなたとは気が合いそうね」。というわけでスパイ活動を開始した秀子、「早速ですが、ひとつご報告が」と温泉旅行のことチクります。ていうか、どの旅館に宿泊予定とか普通イチ同僚に言わないし、秀子はどういう経路で調べたんでしょうね……それこそ社内メール盗み見とかしてるんでしょうか。仕事しろよ、クビだよあんた。

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第1話「奪われたら奪い返せ」