結婚15年目、子供はいない。夫とふたり暮らしの美佳さんは現在46歳で、フリーでwebデザインの仕事をしている。
30代でフリーデザイナーとなった後も仕事は順調、家事との両立も問題なく、夜は大好きなお酒を夫や友人と楽しむ日常だった。だが40歳を迎えた頃、突如急激な体調の変化が美佳さんを襲う。けれども美佳さんは不眠をはじめとするあらゆる体調の変化を、すぐに更年期と結びつけることはできなかったという。「まさか。だって私まだ40代に入ったばかりなのに……」そんな思い込みから、なかなか婦人科の門を叩くことをせずに、ドクターショッピングをくり返してしまった。
40歳をこえてすぐの若さでひどい更年期障害に悩まされた美佳さんの、激動の5年間についてお話をうかがった。
<連載バックナンバー>
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20代の頃から性交痛で悩んでいました
――現在、美佳さんが46歳で、旦那さまは56歳。10歳の年の差がおありなんですね。恋愛結婚?
「ええ、よく行く飲み屋さんで知り合って。1年近くは友達で、つきあってから4年後に結婚しました。知り合った頃から考えると、もう20年近く一緒にいることになります」
――10歳も離れていたら、旦那さまは美佳さんのことがきっと可愛くてたまらないんでしょうね。ところで、事前に20代の頃から性交痛に悩まされていた、とお聞きしていましたが。それは結婚後、旦那さまとのセックスでも同じ状態だったんでしょうか?
「はい、痛くて、ずっとセックスが辛くって。それは結婚してからも変わることはありませんでした。私の体に原因があるのかなって考えて、病院で検査を受けたりしたけれど、なにも問題は見つかりませんでした」
――たとえばセックスの時に潤滑ゼリーを使用するなどは試されたりしました?
「あるお医者様から『ゼリーを塗ってみたら?』とアドバイスがあったのですが、その当時はどこで買っていいものかもよくわからなかったんですね」
――美佳さんが20代の頃の話となると、いまみたいにネットショッピングが一般的ではなかった時代ですものね。かといって、ゼリーが販売されているだろうことはわかっても、男性向けのいわゆる<大人のオモチャ>みたいなショップには入りにくいですものね、女性は。
「そうなんです。どれが良いのかもわかりませんでしたし。でも私なりに情報を集めて30代に入ってからやっと『これがいいかも』と思えるものと巡り合うことができたんですね。そのゼリーを使いだしてから、ようやく性交痛とはサヨナラすることができました」