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感情むき出しの及川光博、抑制の木村拓哉『A LIFE~愛しき人~』/第5話レビュー

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『A LIFE~愛しき人~』公式サイト

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 前回、12.3%と3週連続で視聴率を落としてしまった『A LIFE~愛しき人~』だが、2月12日に放送された第5話は13.9%と若干数字を取り戻した。事実、今回は第4話に比べて大きなドラマ展開があり、格別に面白かった。

 第5話は、お坊ちゃん医師・井川颯太(松山ケンイチ)が一皮むける第3話と同じように、第一外科部長の羽村圭吾(及川光博)に変化が訪れる回だった。脳腫瘍を抱える壇上深冬(竹内裕子)や、沖田一光(木村拓哉)の葛藤、壇上壮大(浅野忠信)の弱さなど、様々な物語展開をみせていった第5話だが、それらは今後のドラマレビューで言及するとして、今回は羽村に注目してレビューを書きたい。

 羽村はもともと、壇上記念病院の経営を巡って対立する院長・壇上虎之助(柄本明)と副院長・壮大の後者につき、病院経営のためには患者を犠牲にすることもいとわない壮大の行動に追従してきた人物だ。患者のことをなにより考え、権威やしがらみをまったく気にかけないアウトローな沖田とは正反対に、権威におもねって自分の利益を最優先しようとする人物でもある。常に冷静沈着で、ときおりアツさを見せる沖田を冷笑しているようでもあった。

 医療事故を検証する事故調査委員会のメンバーに選ばれた羽村。委員として最初の仕事は、壮大と共に大学時代にお世話になった恩師・山本輝彦(武田鉄矢)が桜阪中央病院で行った手術の調査となる。「第三者の僕が調査して問題ないといえば患者も納得するだろう」と気楽に考えていた羽村だったが、山本の手術映像をみて、ミスの可能性に気が付いてしまう。動揺する羽村は壮大に相談するも「ミスの可能性があるのに『ない』と報告したらバレたときに責任問題にかかわる。でも優秀な外科医は少ない。たった一回のことでメスを奪われるようなことがあってはならないし患者の不利益にもなる。俺たちで山本先生を守らないといけない」と説かれ、安堵の表情を浮かべる。

 だが、壮大には別の狙いがあった。前回、優秀なオペナース・柴田由紀(木村文乃)の行動を理由にひと悶着のあった片山関東病院との提携が白紙になってしまい、融資を受けていた銀行からの追加融資が見送りになっていたのだ。壮大はこのネタで山本を揺すり、桜阪中央病院との提携を結ぼうと画策していたのだ。

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