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面倒な母からも妻からも逃げた「夫」がついに登場/『カルテット』第五話レビュー

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(画像:『カルテット』公式サイトより)

(画像:『カルテット』公式サイトより)

 第五話で視聴率を1.3ポイント上昇させ(8.5%)たTBS火曜ドラマ『カルテット』。一話につき二つも三つも山場が用意されているので、一瞬でも目を離せません。

 第四話では愉高(高橋一生)の家庭事情(バツイチ、元妻さんと暮らす息子もいる)が明らかになり、騒動を経て一件落着。かと思ったら今度は愉高がすずめ(満島ひかり)に、実は自分は真紀(松たか子)の夫さんと面識があり、「(ベランダで)妻に落とされた」と打ち明けられていたこと、カラオケボックスでの出会いは“偶然”ではなく真紀に会うため出向いたことを告白しました。同じ頃、真紀と司(松田龍平)はゴミ問題のため東京の真紀の自宅マンションに行き、司が真紀への愛情を持て余しきれなくなって絶賛口撃。松田龍平の指使いがえろいけど……どうなるんだ、どうするんだ? そんな時、玄関の鍵を開ける音が……。誰なんだよ? というところで終了しました。

▼大量の謎と伏線を散りばめた大人ドラマのはじまり/『カルテット』第一話レビュー
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スパイ交代か

 そして迎えた第五話、四話終了間際に真紀の自宅にやって来たのは、「真紀が息子の幹生を殺害したのでは」と疑ってすずめにスパイ活動をさせている姑・境子でした(別居している姑が自宅の合鍵持っているのって……)。

境子「久しぶり~、真紀ちゃ~ん」
真紀「お義母さ~ん」

 まさかの両手ハイタッチ。ぱっと見は嫁姑仲良さげな雰囲気、なんですが、早速真紀と司の関係を疑っている境子です。真紀は気さくな嫁の振る舞いをして腰痛持ちの境子をマッサージ、敬語は使わず「彼氏とかできた?」「マジで?」なんて軽口叩いています。境子が真紀に揺さぶりをかけようと「幹生、もう帰ってこないような気がするんだよ。死んじゃったんじゃないのかな」と言うと真紀は「そんなわけないでしょ~」と明るく慰めます。真紀は本当に、夫の行方を知らないのでしょうか。

 再び軽井沢にやってきた境子は、教会ですずめと会い、夫婦の部屋に男(司)を引き連れていた、裏表がある女だ、だからとにかく真紀が息子を殺したに違いないと語りますが、すずめは「そう見えません」とボイスレコーダーを境子に返却、スパイ活動を断ろうとしました。今ではもう、すずめは真紀に信頼を寄せているのです。であれば、別のスパイを用意するしかありませんね。境子は、今度はライブレストラン「ノクターン」の目が笑っていないアルバイト店員・有朱(吉岡里帆)に目を付け……有朱はスパイ活動をするのかしないのか。「ノクターン」の公演前に4人が練習している間、有朱は早速真紀のスマホに手を伸ばしています。真紀の暗証番号は、夫さんとの結婚記念日だったはず……。

 ちなみに「ノクターン」の責任者・谷村多可美(八木亜希子)に、「恋人でも夫婦でも(ケータイを)勝手に見られるの嫌だよね?」と聞かれた4人、3回答えて3回とも見事に声が被っていて誰が何派なのかさっぱりわからなかったので、TBSオンデマンドを視聴して確認してみました。

すずめ「いやです」「プライベートはやっぱり」(一番聞き取りやすい)
愉高「見るけど見られるはいやだ」(納得!)
真紀「私は別に……」「見られるほうもどうかと思います」
司「僕は大体平気です」「気になる気持ちも……」

といったところでしょうか。もちろん、Twitterでも各々の聞き取り結果が発表されています☆ 気になっちゃいますよね~。

第一の山場・屈辱的なお仕事

 さて、カルテットドーナツホールとしての活動にはチャンスが訪れます。司の弟・圭(森岡龍)の紹介を経て、音楽プロデューサー・朝木国光(浅野和之)と接触した4人。朝木から7月に開催されるクラシック音楽フェスティバルの参加を打診されます。「ノクターン」での公演を聴いた朝木、演奏中はつまらなさそうな顔をしていたように見えましたが、「40年間音楽業界にいた僕が断言します。あなたたちは、売れる!」と絶賛。胡散臭いですね。4人だって胡散臭さを感じています。けれど1人1人を褒め、アドバイスをくれる朝木に、つい舞い上がってしまい「はいっ!」って小学生みたいに返事してしまう4人のかわいらしいこと。大人になっても褒められるのは嬉しいものでしょう。今が上り坂なのかもしれない、だから個々の夢は1度捨てしばらくはカルテットドーナツホールとしての夢を見よう、4人はそう決意しました。

 真紀はすずめに、夫さんが失踪した時の心境を語ります。なぜ、夫の失踪翌日に真紀は事故の可能性などを考えて取り乱さず、捜索しようともしなかったのか。夫さんには家出の前科がある、と知っていたからです。結婚前、母親と2人暮らしだった頃に夫さんは母親が面倒になって家出したことが。それを思い出した真紀は「あの人また同じことしたんだ。お義母さんから逃げたみたいに今度は私から逃げたんだ。私、お義母さんみたいに捨てられたんだ、あのくそ野郎に」と、悟りました。だからこそ翌日に出向いた友人の結婚パーティーでは、思い切り楽しんで、思い切り笑顔で「くそ野郎!(私はこんなの何でないぞ)」と叫んで写真を撮ってもらった。それこそが、境子がすずめに渡した“夫失踪の翌日パーティーでこんな笑い方をしている”写真ということなのでしょう。すずめは一安心というところでしょうが、真紀、すずめの服にくっついていた花のスパンコールを見つけちゃいます。真紀の義母・境子のバッグに付いていたやつです。あのバッグはこういう伏線になるわけですね。

 カルテットドーナツホールの元には、朝木から早速仕事の依頼が入ったものの、それは4人が思っていたようなものとは違いました。東京で行われる、ピアニスト・若田弘樹のコンサートのワンコーナー・ピアノ五重奏に参加、まではいいのですが、4人は地球外生命体・戦闘型カルテット「カルテット美剣王子愛死天ROO」とかワケのわからない設定でコスプレ衣装着用を求められ(そんな衣装は演奏を妨げるだけ)、ダンスの要求もされ、肝心の演奏については満足な練習時間も取れないまま、飲み会に駆り出されます。スタッフは薄っぺらな誉め言葉を並べるだけ。それでもせっかくの大舞台、ベストを尽くしたい4人は練習したいと訴えますが、朝木は「三流は明るく楽しく、お仕事をすればいいの!」と取り合わず、挙句「あなたたちを選んだのは弟さんに頼まれたからでございます」。4人はショックを受けながらも飲み会の後カラオケボックスで再度音合わせを行い本番に備えましたが、本番当日にはもっと厳しい現実に直面します。

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中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

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