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中途半端なモデル業からの転身をはかる、意識高いギャルたちの告白

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『Popteen 2013年 12月号』 角川春樹事務所

『Popteen 2013年 12月号』 角川春樹事務所

 かつてコギャル系ファッション雑誌の殿堂であった『Popteen』(角川春樹事務所)が、清楚系・ナチュラル風の可愛いファッションへと転向していることは以前にもお伝えしました(「男ウケとか関係ねーし」だったはずのギャルが、清楚系に続々転身の謎)。12月号も引き続き、「『ナチュラル可愛い』現象!!」という特集が組まれておりますが、そこでは「“濃くて盛り過ぎなGAL”はもうダサイ!」とまで言い切られています。過去の盛り盛りなギャル文化との決別宣言ですよ。

 あくまでこの雑誌が推しているのは「ナチュラル系」というよりは「ナチュラル風」。わかりやすく言うと「すっぴん」ではなく「すっぴん風のメイクで可愛く見せるには」、というところにフォーカスが当てられていて、特集記事ではアレコレと細かいアドバイスが満載です。「もう、下つけま(下まつげへのつけまつげ)は卒業!」だけれども、「下ま(下まつげのこと)」が薄くなった分「涙袋強調が大事!!」とか、ナチュラルも楽ではないのね……。

 また「ナチュラル可愛い」だと、「コスメ代の節約にもなって経済的だよん♥」と言われているものの、メイクが薄くなった分、素肌や髪質を大事にしないとNG、よってスキンケアやヘアケアへの意識を高めなくちゃいけない、とコスメ以外のところでお金がかかってしまっている。『Popteen』の読者層である女子高生たちが高級なトリートメントやオイルを購入したり、美顔器を使ったりしている姿を想像するのはなかなか恐ろしく思われます。

 一体おこづかいがいくらあれば足りるんだろうか、もしかしたらお母さんとそうしたケアグッズをシェアして使ったりしているのかしら……だとしたら、お母さんと仲良しじゃなくちゃいけないけれど、年頃の娘さんとお母さんじゃ反りがあわないこともあるだろうし、自分でお金を用意するのだとしたら一体毎月何時間アルバイトしなくちゃいけないのだろうか……そんな美容のために彼女たちの貴重な青春時代を費やすなんて果たして良いことなのだろうか……なかには美顔器欲しさに万引きやウリに手を染めるコたちがいるのでは。

 ……と妄想が止まらなくなってきてしまうのですが、ここで言えるのは盛り盛りのギャル文化も、ナチュラル可愛いも、どちらもなにがしかの努力を重ねられているわけで、見た目よりも両者のメンタリティーは近いのだろう、ということです。こういう雑誌を読んでいると「可愛いは正義」かもしれないけれど「可愛いは消費」であり、また「可愛いは病気」とも思えてきます。正義を求めるのにお金が必要であって、そして正義だから可愛くなくちゃいけないという強迫観念じみたものが発生するのでは……と。

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カエターノ・武野・コインブラ

80年代生まれ。福島県出身のライター。

@CaetanoTCoimbra

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