痴漢、ダメ、絶対。
今回は、痴漢被害にあったこともあり、目撃したこともある経験者としての話を二回にわたってお伝えしたいと思います。
通勤通学に電車を利用している方は、多いでしょう。私も高校時代からずーっと電車利用者で、今も毎日電車を使って郊外から都内の会社へ繰り出しています。住まいは電車で1時間以上かかる、夢の国がある方面でございます。7時~8時台は通勤ラッシュで多少混んでいますが、東京の地下鉄・私鉄に比べたら空いているほうかと思います(つり革に空きはないけど、通り道に1~2列の人が立っているくらい)。そのような、空間に余裕のある車内でも、痴漢する人間はいます。
痴漢はラッシュの混雑に紛れて多く発生するもの、と考えている人は多いと思います。実際、中央線と埼京線の出勤時・帰宅時と混雑ぶりは有名で、同じく“痴漢が多い”ことでも有名。「混雑を利用して、まずぶつかってみる。その時に謝る女性は狙い目」と計算ずくで痴漢するような加害者もいます。しかし、混雑してようがしてまいが、いるんですよどの路線にも。痴漢行為をする人は。
私も被害にあったことがあります。カウントしたことはないですが、10代後半から20代にかけて、5回くらいでしょうか。私の場合、季節はいずれも春・夏だった記憶。「薄着の季節は~」と聞くこともありますが、確かに分厚いロングコートを着込んでいる季節よりは加害しやすいのかもしれません。ただ冬でコートを着ていてもタイツを履いていても痴漢は発生するので、これもまぁ、季節は関係ないでしょうね。
被害にあった方ならわかると思いますが、痴漢をされている時は怖くて心臓がバクバク、立ち去ることすら出来ない恐怖感でいっぱいになります(というか、車内移動して、追いかけられたらどうしよう……とかネガティブにしか考えられない)。車内ではなんとか恐怖心をやり過ごし、無事帰宅後は「触っても文句言わなそうだと思われたのか」と悔しくてようやく強い怒りが湧いてきます。
証言者の拘束時間は特別長くはない
「悔しい」「屈辱・侮辱」「怖い」……被害を受けている時のそんな気持ちが痛いほどわかるので、痴漢現場を目撃したら「被害者を助けなきゃ!」と思っています。ここ4年ほどの期間でいうと年1ペースで、痴漢目撃し加害者の腕を掴み、ホームに出すということをしています。そして、今朝も痴漢の被害にあっている女性を助けるべく、痴漢オヤジを確保してからの出社をさせていただきました(おかげで遅刻だ、クソ痴漢が)。
基本的には、被害者女性とともに車両からホームへ連れ出し、駅員を呼びます(こちらの雰囲気で駅員から駆け寄ってくることがほとんどですが)。被害者女性とともに駅員室に同行する、というのが私の行動です。駅員室で状況を聞かれるか、警察が来てから話すように言われるかは、駅によって違いました。
相手が否認している場合はもちろん、被害者女性が泣いていたり、動揺している状態であれば、駅員が連絡した警察が来るのを待ち(厳密にいうと、痴漢に関しては「鉄道警察」の管轄のようです)、彼女の訴えと同じく、私も目撃した状況を話します。ちなみに、今朝の痴漢オヤジは痴漢行為を認めたのと、女性もしっかりしていたので、私は駅員室まで同行し軽く事情を話してすぐに出られました。今日は、捕まえてから駅員室を出るまで30分程度だと思いますが、警察に証言をした時は1時間以上かかったでしょうか……(とはいえ精神的疲労が大きいので、今日も普段1日働いたあとより疲れています)。
被害者女性からは「すみません」と「ありがとうございます」と何度も頭を下げられるのですが、「私が痴漢にあった時、証言者いなくて悔しい想いしたから……うん」と、もはや定番のセリフになっているのがお恥ずかしい。実際にその想いだけなんですが。こういう風に「痴漢検挙しました」という話をすると、友人から「後日、その痴漢オヤジが逆恨みから何かしてくるかもしれなくない? 怖くない?」と聞かれたりもしますが、恐怖心より悔しさと正義感が勝っているんでしょうか、その不安は考えたこともありませんでした。その後、危険な目に合ったこともありません(車両をずらして乗ったりはしますが)。ただ、現場で危害を加えられた経験は一度だけあり、そのことについてはまた次回詳しくお伝えする予定です。
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