レプロエンタテインメントからの独立騒動を発端に、テレビから締め出されてしまったと見られている“のん”(23/本名:能年玲奈)。主人公の声を務めるアニメーション映画『この世界の片隅に』は異例のロングランヒットとなり、『毎日映画コンクール』で3冠、第90回『キネマ旬報ベスト・テン』の日本映画ベストワンおよび監督賞を獲得、今年度の各賞レースを総ナメする勢いは止まらない。しかし、映画PRで『あさイチ』(NHK)に彼女が出演した際は完全復活も期待されたが、その他のテレビ局が彼女を登場させることはないまま現在に至っている。
彼女自身、2月22日に出演したラジオ番組『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』(ニッポン放送)でも「仕事がしたい」と、現状の仕事量に不満を持っていることがうかがい知れた。
事務所からの独立騒動により、2014年公開の映画『海月姫』での主演以降、すっかり表舞台から姿を消している“のん”は、22日のラジオでリスナーから「今、一番やりたいこと」を聞かれると「仕事ですね」と答え、仕事に飢えているようであった。彼女の演技に魅力を感じるファンは多数おり、活動を待ち望む声が絶えないにもかかわらず、雑誌グラビアやインタビューの仕事はあるものの、やはりドラマや映画など演技の仕事はほとんど舞い込まないという現状。2014年2月に「事務所を辞めたい」と談判してから、『この世界の片隅に』を例外に、ぱったり彼女の出演作は途切れている。レプロといえば清水富美加の出家騒動もまだ記憶に新しいが、一連の騒動からは芸能界およびテレビ業界、エンタメ界の闇を感じずにはいられない。
もちろん人気商売ゆえ、需要がないために仕事も給与も少ない、ということは当然ある。その時々で仕事量が安定しないからこそ、月給制をとる芸能事務所もあるのだ。だが、人気高騰中や売り出し時期には無茶苦茶なスケジュールを詰め込まれ、そのシーズンを終えてパタリと仕事がなくなれば、精神的に追い詰められてしまうタレントもいるだろう。でんぱ組.incの最上もが(年齢非公表)が、今まさにそうした状況であることを明かし、話題となっている。
2月20日にAbemaTVで放送された『最上もがのもがマガ』で、でんぱ組.incの最上もがが仕事がない現状を明かしファンに衝撃を与えた。これまでの5年間は「休みもなく突っ走ってきました」という最上。共演者のナイツ・土屋伸之(38)も「ヘトヘトだったじゃないですか」と言うほどスケジュールがギュウギュウで大変だったらしいが、現在は逆に、「不安で押しつぶされそうなほど仕事が無くなった」そうで、のんと同じように「仕事ください!」と訴えていた。一方で、「ちゃんとした睡眠時間を確保できる仕事が欲しい」とも。ほどほどの安定した仕事量を確保し維持することは、芸能人にとっては難しいことのようだ。
有吉弘行(42)は「基本的に仕事を断らない主義」とよくテレビで語っている。時には、断らないではなく、“断れない”とも言っていた。それは猿岩石での大ブーム後に、仕事が全く無くなった日々を経験しているためだが、今や、お笑い界、芸能界のトップに近い有吉ですら、仕事を希望通りに調整できないとしたら、業界の仕組みそのものに大きな問題があるのではないだろうか。現場スタッフの過酷さも群を抜くといわれる芸能・テレビの世界。エイベックスホールディングス・松浦勝人は「夢を売る業界なのだから労働基準法に従ってなどいられない」となりふりかまわぬ本音を吐露したが、労働環境の大幅な改善が求められる業界であることは確かだろう。
(ボンゾ)