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諦めない沖田(木村拓哉)と、開き直った壮大(浅野忠信)の分岐点/『A LIFE~愛する人~』第7話レビュー

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『A LIFE~愛する人~』公式サイトより

『A LIFE~愛する人~』公式サイトより

 2月26日放送の木村拓哉主演『A LIFE~愛する人~』(TBS系)第7回の視聴率は14.5%と、前回の15.3%から0.8%ほど視聴率を落としてしまった。しかしすでに後半戦に差し掛かったこともあり、物語は終わりに向けて徐々に加速している。

 前回、自身の脳腫瘍に気づき、不安に押しつぶされそうになっている壇上深冬(竹内裕子)を沖田一光(木村拓哉)が抱きしめているところを見てしまった壇上壮大(浅野忠信)が、朝食を作る姿から今回の物語は始まる。上機嫌に歌を口ずさむ壮大の姿がむしろ不気味だった。

 深冬は、神経を傷つけずに済む脳腫瘍の手術方法を模索する沖田に、神経を犠牲にしてでも腫瘍を取り除いて欲しいとお願いをする。今後、医者として手術室に立てなくなってしまったとしても、生きて子どものそばにいたい、と。何も言い返せない沖田だが諦めていなかった。壮大に「俺は(神経を傷つけるような手術方法を)認めない。お前なら大丈夫だと思ったからお願いしたんだ。諦めるのか?」とけしかけられ、「諦めるわけないだろう!」と声を荒げる。そんな沖田の様子をみて、壮大は「お前も苦しいんだよな」と返す。疑心暗鬼に捉われた壮大は、沖田が深冬のために苦労すればするほど、二人の愛情を確認しているようで、むしろ憎悪が増しているように見える。

 事実、これまで深冬のために病院経営の足を引っ張っている小児科を潰さずに残そうとしてきた壮大だったが、一転して小児科を潰そうと画策し始めていた。だが小児科こそ壇上記念病院の原点だと説く院長が承認をとるはずがない。そこで壮大は考えた。提携が決まったばかりの桜坂中央病院に、壇上記念病院を飲み込ませてしまえばいいのだ、と。深冬と沖田が抱き合う姿を見てしまった壮大はもう取り返しのつかないところまで行ってしまったのだ。「手に入らないのなら、いっそのこと失くしてしまえばいい」。

「深冬先生の気持ちが自分にないなら、いっそのこと死んでしまえばいいと思っているんですよね。そこまで愛しているんですね」と不倫相手で顧問弁護士の榊原実梨(菜々緒)に問われる壮大はただひと言「愛していたよ」と答える。

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