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壮大(浅野忠信)によって、恋人が略奪されたことを知った沖田(木村拓哉)の怒り。/『A LIFE~愛する人』第八話レビュー

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壮大(浅野忠信)によって、恋人が略奪されたことを知った沖田(木村拓哉)の怒り。/『A LIFE~愛する人』第八話レビューの画像1

『A LIFE~愛する人~』公式サイトより

 木村拓哉主演『A LIFE~愛する人~』(TBS系)もいよいよ佳境を迎えつつある。今回の放送は、過去最高視聴率を更新し15.7%と、今クールの21時~23時台放送の他のドラマの追随を許さず独走中だ。

 今回の放送は、顧問弁護士の榊原実梨(菜々緒)が、愛人の壇上壮大(浅野忠信)に捨てられた腹いせに、壮大と沖田一光(木村拓哉)がひた隠しにしてきた壇上深冬(竹内裕子)の脳腫瘍を病院中の医師が集まるカンファレンスで暴露した前回の続きから始まる。深冬の実父で、娘の脳腫瘍を聞かされていなかった院長の壇上虎之助(柄本明)は突然の公表に動転する。「院長であり、父親である私に真っ先に話すべきだろう。沖田先生までなぜ隠していた。大丈夫なのか?」。沖田は自信を持って答える。「大丈夫です」。

 一方、壮大は榊原を責め立てる。「どういうつもりだよ」。榊原は答える。「副院長と同じ事をしただけです。手に入らないならば、いっそのことなくしてしまえばいい。(いまだ元カレの沖田を慕っているように見える)深冬先生の手術が失敗して、死ねばいいと思っているんでしょう。手術に失敗すれば沖田先生は一生苦しみ、成功すれば沖田先生は深冬先生の胸に一生刻まれることになる。かわいそうに。あなたの心の穴はどっちにしろ大きくなる。一生苦しめばいい」。そう言って壮大をビンタし、榊原は去っていく。

 ようやく深冬の手術方法を見つけたとはいえ、沖田の専門は脳外科ではない。勝手の違う手術に向けて縫合の練習を続ける沖田に、オペナースの柴田由紀(木村文乃)は「無理しないように」と声をかけるが、毎夜毎晩、沖田は遅くまで手術の準備を続けていた。見かねた柴田は、「これは沖田先生ではなくお父さんに」と賞味期限が今晩までのイカ飯を沖田に差し入れる。柴田の気遣いを素直に受け入れて実家に帰った沖田を待っていたのは、苦しげに胸に手を当てる父親・沖田一心(田中泯)だった。そのまま一心は倒れこみ、意識を失ってしまう。柴田のイカ飯がなければ、発見は遅れていただろう。

 一心は壇上記念病院に運ばれる。過去に沖田と対立していた第一外科部長の羽村圭吾(及川光博)は、身内の手術は辛いだろうと、一心の手術を自分が引き受けると沖田に提案する。「君とはいろいろあったけど、全力でやらせてもらいますよ」。深冬の手術を控える沖田もその提案を受け入れ、ふたりは握手する。「ありがとうございます。羽村先生なら僕も安心です」。

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キネマ旬報増刊 キネマ旬報NEXT Vol.12「無限の住人」 No.1743