尊敬する夫とは別枠の、ふたりの彼氏
その一方で、亜希子さんには、精神的な繋がりを感じるAさん・肉体的に楽しむ相手であるBさん、ふたりの彼氏がいるという。
独身時代から彼氏がいない時期がなかったというほどモテてきた亜希子さん。15年前にお母様を亡くされた際も、葬儀にかかった費用はその当時つきあっていたふたりの彼氏(前出のAさん・Bさん、そして現在の夫とも別の人物)が全額負担してくれたそうだ。
そんな<男が途切れない女>である亜希子さんだが、結婚後もモテっぷりは変わらなかった。5年ほど前からつきあいが続いているAさん、そして会えば必ずセックスするBさんというふたりの彼氏と交際を続けている。どちらも既婚者だ。
――ふたりの彼氏のうち、まずはおつきあいが長いというAさんのお話からお尋ねしてもいいでしょうか?
「Aは元カレで私よりも3つ年上です。彼とはもう男と女の仲を超えているというか……。私の人生からいなくなることなんて考えられないぐらいの深い存在。なにも言葉を交わさずとも、お互いの考えていることがすべてわかるというかね、そういう人です」
――Aさんとは、いまもセックスされてるんですか?
「最近はないですね、めったに会うことはないから。向こうがとても忙しい人なので。メールでしょっちゅう連絡は取り合ってますけど。でもね、その彼とはもう精神的な繋がりが深いからセックスはなくってもいいの。それがなくてもつきあいはきっと一生続くと思います」
――とても大切に思われているようですが、その彼とご主人、どこがどう違うんでしょうか。
「強さかな。うちの主人と比べて、精神が強靭というか、肝が完全に座った男なんです。そこが主人とは違う。主人は彼に比べると普通の男。慌てるときは慌てるし」
――では亜希子さんと同じ年だというBさんはどんな方なんですか?
「Bとはね、完璧に男と女の関係だけを求めているような、そういう仲かなぁ」
――セックスがメイン?
「うん、会えば必ずセックスするから。そういうことになるのかな。この人も元カレでね、つきあってたのはお互いまだ10代の頃。若かった(笑)」
――Bさんとは別れたあとも、しょっちゅう会ってらっしゃったんですか?
「まさか(笑)。20代で別れてからはほとんど音沙汰なしの状態でした、お互いに」
――ではどうしてまた再燃したのでしょう?
「3年前の話になるんですけれど……SNSがきっかけなんです」
――でも結婚されて苗字が変わってるわけですよね、亜希子さん。Bさん、かなり一生懸命探したのかもしれませんね。
「共通の知り合いも多いし、探されちゃったんでしょうね。向こうから友達リクエストが来て、しょうがないから承認するじゃないですか。そうすると、お互い近所に住んでるってことがわかったの。そこからはもう『会おう、会おう』って怒涛のメール攻撃がきて……それで根負けして会っちゃったっていうわけ」
――会ってすぐに男女の仲に戻ってしまったんでしょうか。
「まぁそうなりますよね。そんなにHがしたいって言うんなら、もう仕方ないなぁって感じ」
――亜希子さん、求められると拒めないタイプなんですね(笑)。
「そうでもないんですけど(笑)。あと、彼と会ってしまうようになったのには、もうひとつ理由があるんです」
――理由というのは?
「ちょうどBが友達申請をしてきた3年前に、私の親友がガンになってしまったんですね。彼女のその告白を聞いてから辛くて辛くて。ある日、家にいたときに彼女のことをいろいろと考えていて……こらえきれずに泣いてしまったことがあったんです、主人の前で。泣いてる私を見て『彼女はもっとつらいんだから、おまえが泣いても仕方ないだろ』って言ったんです、主人が」
――たしかにそれは正論なんですけれど、いま私がほしいのはその言葉じゃないよっていう。
「そのときにね、この件ではもうこの人の前では泣けないなって強く感じて。それでふっと思い出したのがBだった」
――なぜBさんのことを思い出したんでしょうか。
「彼も、昔つきあっていた女性をガンでなくしているのね。そのときに、彼がその彼女に一生懸命寄り添っていたことを私もよく知っていたから。それがあって、辛いときにBのことを思い出したんだと思う。あの人なら、いまのこの気持ちをわかってくれるんじゃないかなって」
――親友のご病気について、ご主人の前では泣けないけれど、Bさんの前では泣けた……。
「そうなの。それで、会うようになってしまった。でも彼はものすごく親身になって話を聞いてくれたから。あの頃はBがいてホントに精神的には助かりました」
――3年前から始まったBさんとの情事は、ご主人には一度もバレていない?
「うん、Bとは家が近いのがよかったんですよ(笑)。土日はもうかなり昔からずっとスポーツジムに通っていて、それが習慣になってるのね、私。だから、Bと会うときも主人には『ジムに行ってくる』って」
――さすがにジムに行くときは、ご主人はガンガン電話連絡してこないというわけですね。
「私がジムに行っている間はね、主人はお昼寝タイムなんです。これももう習慣なの」
――あー、なるほど。つまり、そこがもっとも安全な時間帯というわけですね。Bさんとはいまも頻繁に会ってらっしゃいますか?
「ううん、最近はめったに会わなくなっちゃった。というのも、彼が一昨年の終わり頃に仕事の都合で福井県に転勤になったんですよ。それでその時点でいったん私から別れを切り出して、『もう2度と会わない、友達に戻るってことにしよう』って固く約束しあったんですけれどね。ところが去年の春に『東京に仕事で行くから一緒に泊まれないかな』ってごく当たり前のように連絡がきて」
――Bさん、メンタル強い人(笑)。
「ホントに。あんなにはっきり友達宣言したのにね。あんた、人の話なに聞いてたの? ってさすがにそう思って。『私たち友達になったはずだよね』って冷たい返信もしてみたんだけど。でも結局、情にほだされてお泊りしてしまいました。そこからはまた会える時は会うという感じになっちゃったけど、まぁいまは距離が離れているから。1年に1回ぐらい会えればいいかなって感じです」