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両思いは現実、片思いは夢のよう。切なくて苦しい満島ひかりと高橋一生に萌えてしまう/『カルテット』第八話レビュー

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すずめは「抱かれたい」と思わないのでしょうか(画像:『カルテット』公式サイトより)

 “大人のラブストーリー”であり“ヒューマンサスペンス”でもあるTBS火曜ドラマ『カルテット』。第八話は『WBC 日本×キューバ戦』放送の延長によって1時間遅れのスタートでした。なお、先週話題になった「時間軸問題」については、3月2日にドラマ公式ツイッターより説明とお詫びがありました。時系列の辻褄が合わなかった理由は、制作側の単純なミスで、ドラマの時系列は基本的に1話から順番に進んでいるとのことで、収束。ヤフーニュース掲載の関連記事によれば、視聴者の「時間軸問題」に対する反応(おそらくSNS)は、「深読みしたくなるくらい素晴らしいドラマ」など、理解を示す声が多いそうで、ミスを責める声はあまり見受けられないようです。視聴熱の高さが伺えますね。視聴率も再び上昇傾向にあり、第八話は9.5%でした(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

▼大量の謎と伏線を散りばめた大人ドラマのはじまり/『カルテット』第一話レビュー
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愉高→すずめ→司→真紀

 第八話は、カルテット4人・真紀(松たか子)、すずめ(満島ひかり)、愉高(高橋一生)、司(松田龍平)が凍りついた湖で釣りをしているシーンからはじまりました。クドカン演じる真紀の夫さんが登場して何かと騒々しかった六話、七話とは打って変わってほのぼのした雰囲気です。4人が暮らしている別荘は元々司の祖父が所有するもので、司の実家にて売却話が持ち上がっているという不安要素はありますが。

 腰痛が悪化したため何日か別荘に滞在していた真紀の元義母・境子(もたいまさこ)も、無事回復し、東京に戻っていきました。帰郷前夜には4人に御礼の手料理を振る舞い、4人の生活習慣の乱れが大いに目に付く、と滔々指摘する寮母さん……いや、金八先生みたいな境子さんでしたが、現在息子はコンビニ強盗の罪で拘留中という事実が彼女の身には降りかかっています。しかし嘆き悲しむ素振りは見せぬまま、真紀にも「自分の人生を生きてください。ごめんね。じゃあね。ばいばい」と気丈に声をかけて去っていきました。

 相変わらず寝てばかりいるすずめの夢の中は……もう別府さん(司)一色。すずめが別荘にやってきた日を再現した夢なのか、白いフリフリブラウスでナポリタンを食べようとするすずめに「ナポリタン危険です。白い、きれいなお洋服だから」と言って自分のエプロンを外し、すずめに差し出すのではなく“着させてあげる”別府さん。この人ってきっと、男女構わず誰に対してもあれこれ世話を焼くんでしょうね。そんな別府司を、すずめは「好きだってことを忘れるくらいいつも好き」なようで……。

 さて、4人の片想い事情。司→真紀は相変わらず。すずめは本当は真紀が好きなんじゃないかという予想も視聴者にはありましたが、すずめの夢を見る限り、すずめ→司。また、はっきりした場面がなくともこれまでの伏線から、愉高→すずめっぽい感じ。

 いちばん恋愛トークが好きらしい愉高は、ひとりひとりに恋バナを振ります。司に「真紀さんお離婚したんだし、チャンスじゃないの」と指摘し、すずめには「すずめちゃんて前に別府くんとキスしてたよね。別府くんってでも、真紀さんのことが好きだよね。真紀さんお離婚しちゃったしピンチじゃない」、真紀には「真紀さん晴れてお離婚したし、もう火照りまくりじゃないですか。別府くんとかってどうですか、相手として」となかなかデリカシーに欠ける発言(ただし他のメンバーがいないタイミングなんです)。愉高自身はどうなのかと真紀が訊くと、「僕は女性を好きにならないようにしてるんで」「向こうが僕を好きになる確率が極めて低いからです」と答え、「家森さん、自分のことわかってたんですねえ」と納得されるのでした。

 そんな会話が一段落したところ、司の弟・圭(森岡龍)が別荘売却の件で不動産屋を伴って来訪しました。「ここならすぐ買い手が見つかりますよ♪」と声を弾ませる不動産屋が出した査定予想額は7850万円! 圭くんは「会社だって近いんだしさ、高崎に戻ってきたらいいじゃない」とドライに進めてきますが司は気が進まない様子。ってか、別府ファミリーは群馬県高崎市にお住まいなんですね。この別荘にカルテットメンバーが居候していること、いや、エリート一家で育ったはずの兄が彼らと親しくしていることが気に食わないのでしょう、圭くんはカルテットの他3人が無職である点を突いて「ダメ人間」呼ばわりし、普段温厚な性格の司も「人を査定しに来たの? どういう資格で?」と不快感を示します。1月のドラマスタート時からずっとカルテット4人を見守ってきた視聴者にとっては圭くんって嫌なキャラですが、30代の大人なのに稼ぎがなく、鏡子に「生活習慣がだらしなすぎる」と説教されるカルテットメンバーは、確かに余所から見ればダメ人間なのでしょう。無職の30代に世間は良心的なまなざしを向けませんよね。別府兄弟のピリついた会話中、真紀と愉高は外出していましたが、お昼寝から目覚めたすずめはばっちり聞いていて、これを機に色々と行動を起こすのでした。

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中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

バナナ&ストロベリー

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