参加者へ配られる前に、まずは吉行監督と羽月さんの実食レポからスタート。ピンク映画の現場では人目に晒されないという〈イチモツ〉を、このお二方が掲げるという絵面はある意味、貴重かもしれません。
トークセッションでは体調管理のため、「ダイエットはしない。ヘルシーなもの、好きなものをちゃんと食べておなかいっぱいにする」と語っていた、羽月さん。さすがの食べっぷりがお見事。そんな光景に背中を押されたか、切り分けられた〈マラとタマ〉に続々と群がる女子たち。私の隣に座っていた女性は、豚のキンタマ揚げを食し、「ほんのり漂ってくる生臭さが……若いオスって感じ」という微エロ(?)な感想を口にしていました。
まずいか美味しいかと聞かれれば、これは〈美味しい〉です。牛マラは、ほとんどが半透明のゼラチン質。ねっとりしつつブリュンとした歯ごたえで、完全に珍味の範疇でしょう。私は同様の食べ物である〈豚足〉はあまり得意ではないのですが、白湯スープで煮込まれた味わいと香り高いパクチーがあわさったこれは、ひたすらに〈口福〉。刺激的なだけじゃないスパイスの深い味付けが、たまらない!
豚のタマはレバーに似たコクがあり、しかもそれをフライにしているので〈若者向け〉といった印象。夜の生活をサポートしてくれる〈パワーフード〉なんじゃなくて、これをモリモリ食べられること自体がパワーだろ。しかしビールがグビグビ進んでしまう系のお味で、疲れた中年の胃袋にも意外とすんなりおさまってくれました。
性器料理を食せるお店いろいろ
私は食べ物にあまり感情移入できないタチなので、「マラを食べるなんて痛そう〜!」という類の感想はないのですが、〈お姫様抱っこ〉や〈お忍び中の危険な恋〉〈愛情たっぷりベッドシーン〉など女子の憧れ的要素をこれでもかと詰め込んだピンク映画を鑑賞している間、〈タマ〉の香りが胃からほわんとせり上がってくるという全くロマンチックじゃない状況の面白さは、なかなかの味わい深さでした。
このほか都内で食べられる〈性器料理〉は、同エリアの新宿なら「上海小吃」の牛ペニス煮込みや、「朝起」が出す〈豚のキンタマ刺〉があります(※いろいろな規制により、現在は調理法が変更されている可能性アリ)。正直これらはオススメ! とは言いがたく、上海小吃のものはスパイスを使いすぎて肝心の〈マラ〉そのものを味わう余地がないし、朝起の刺身は独特な水っぽさでイマイチ感が否めないんですよね。
逆に最高だった〈マラ〉は、下北沢のホルモン屋「肉人(にくんちゅ)」で食べた、〈キンツル(豚のサオ)〉。縦にカットされ、さらに火を通しやすくするため、ウインナーのように横に浅い切込みを入れられたサオを網で炙ると、コリコリした歯ごたえでいてやわらかい肉質、そしてうまみもたっぷり。最上級に改良された砂肝がもしもあったらこんな感じかも。何度も追加注文してしまい、あれは、すっかりハマったものです。