インタビュー

性機能障害、男性側の誤解。産後の性交痛の様々な原因、解決法を泌尿器科専門医師に訊く

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Photo by Bryan Brenneman from Flickr

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 産後のセックスに痛みを感じた筆者は、これを記事にすべく周囲の経産婦に聞き取りをした。すると、ひっそりと産後の性交痛に悩んでいる(いた)女性が他にもいることを知った。

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 どうすれば解消できるのか? 病気の兆候としての性交痛、という可能性もあるのか? 今回は、女性医療クリニックLUNAグループ理事長兼『LUNA骨盤底トータルサポートクリニック』院長の関口由紀先生(泌尿器科専門)に、性交痛の種類やその治療法を伺った。

 まず出産後、何割ぐらいの女性が、性交痛に悩まされるのだろうか?

「欧米では性交痛発生頻度は、セックスする人の2〜3割といわれています。日本では潜在化していますね。来院される方に問診票を書いていただいていますが、それより若干少ないんです。

 原因は、閉経前と閉経後で大きく分かれます。さらに閉経前の性交痛は、分娩直後かそうでないかでまた大きく分かれる。分娩直後といっても、それは分娩から3年くらいまでを言うんです」(関口先生)

 閉経前、かつ出産はしたが分娩直後ではない時期の性交痛には『性機能障害』が大きく関係しているという。性機能に障害があり性交がうまくいかない症状を指す。この『性機能障害』には分類がある。

「性的意欲興奮障害、オーガズム障害、性交疼痛症、膣痙攣、この4つです。アメリカで大きな問題となっているのは、性的意欲興奮障害なんです。セックスする気がないとか、セックスする気はあるけれども興奮しない、などの症状です。それに対する治療法も欧米諸国では発達していますが、日本ではそれを主訴として病院に来る人はまだあまりいないんです。性交痛を主訴として来院される方が主ですね。ですがこの症状には、性機能障害が密接に関連しています」(同)

 性交痛があることでセックスする気持ちが萎え、性的意欲興奮障害やオーガズム障害へと至る場合がある。日本の女性の場合、性交痛で来院したのち、性交痛が改善すると、性的意欲興奮障害も回復し、オーガズムも得られるという人が多いのだという。

 ではこのように性的意欲興奮障害と結びついた性交痛を改善するには、どうしたらよいのだろうか?

「夫婦関係を継続したいとふたりが思っているけれども、セックスには意欲がなく、痛みもある、という場合は、精神的な問題も大きいのですが、まずセックス法を2人で勉強した方が良いです。そのためのグッズもあります。それが『教育ビデオ』。AVでもいいんですけどね、日本のAVを観すぎると男性が偏った性行動を取ることもあるので、私は『ベターセックス』をお勧めしています。これを観る。アメリカの教育ビデオですから、ちゃんとすごくまじめにセックスの方法をレクチャーしてくれます。実は無修正として有名なんですけどね、字幕も入っていますよ。ラブグッズを使うのも悪くないですね。

 あとは夫婦関係にちゃんとお金をかけること。これは男性に言いたいんですが、妻との関係を修復したいんだったらやっぱりちゃんと美味しいものを食べて、豪華なところに泊まったりすることも必要。新しい女の人にするようにちゃんと古い妻にも接すれば、妻もそれなりにやる気になるんです。でも女の人の方もね、その男の人の愛を勝ち得ていたいと思うんだったらやっぱりちょっと見た目に気を配る。結婚すると油断するからね」

 結婚すればパートナーとのセックスはいつも生活感溢れる自宅……となりがちだが、確かにそれは飽きるし萎える。性的興奮に結びつきづらくなるため、ホテルなど場所を変えてセックスすることも良いようだ。

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