インタビュー

高齢者を取り巻く性の話「65歳でセックスしている女性は15パーセント」閉経した女性たちの性交痛に効果的な方法とは

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Photo by Alexander Annenkov from Flickr

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 性交痛の原因は閉経前と閉経後、そして分娩直後か否かで、大きく異なる。これまでのインタビューでは、閉経前の性交痛について詳しく紹介してきた。最後は閉経後の性交痛について、女性医療クリニックLUNAグループ理事長兼『LUNA骨盤底トータルサポートクリニック』院長の関口由紀先生(泌尿器科専門)に、引き続き話を伺っていく。

▼前編
性機能障害、男性側の誤解。産後の性交痛の様々な原因、解決法を泌尿器科専門医師に訊く【01】

▼中編
分娩直後=出産3年以内の性交痛は『当たり前』だった? その理由と改善策【02】

「閉経後は、100パーセントの人で女性ホルモン値が低下します。そのうち50パーセントの人が、女性ホルモン低下によって萎縮性膣炎という病気になりますが、萎縮性膣炎の症状のひとつが性交痛です。ホルモン補充に関しては、更年期障害のホットフラッシュなどの症状がある人は、貼り薬などでの女性ホルモンの全身投与がいちばん良いです。一方セックスのトラブルについてはGSM、つまり『閉経関連尿路性器症候群』という概念があります。女性ホルモン値が下がったことにより外陰部がイガイガする、尿漏れ、セックスの時痛いなど、そういう症状をGSMというんです。こちらの場合は局所に女性ホルモンクリームを塗るだけで良いといわれてます。それだけで良くなります」

 性交痛の治療は閉経後よりも閉経前のほうが、精神的問題が入るので難しいのだとか。だが閉経すれば、ホルモンバランスの変化により性欲も減退していくことがあるのではないだろうか?

「日本では、65歳でセックスしている女性は15パーセントぐらい。あとの85パーセントはしない。これは割合としては少なくて、アメリカでは40〜50パーセントの高齢者がセックスをしています。

 もちろん、したくなければしなくていいんですが、今の日本の問題は、セックスしたくない人が、したい人に対して『おかしい』とか言うことがあるので、おばあちゃんの中には黙っている人もいるんです。セックスしたいとか言わない社会なんですよね。セックスなんてしたいの? って言う人がドミナントになるから、セックスしたい人は言わなくなる。それが日本の問題なんですけど、ただ中高年のもうひとつの問題は、『死ぬまでセックスするんだ』っていうのがあまりにメディアで言われすぎてしまって、セックスしたくないのにもかかわらず、私はしないといけないんですか、もうしたくありません、みたいな相談も受けたりするんですよね。

 でもそれは、夫としたくなくて他の男とはしたいのか。それとも男全般としたくないのか、そこは大きな違い、対処法は違いますから、夫としたくない人はパートナーチェンジ」

 閉経し、高齢になるにつれ、セックスへの意欲が減退する女性もいれば、人知れず性的意欲を保ち続ける女性もいる。またパートナーがいつまでもセックスしたがる場合、後者の女性であれば幸せだが、前者であれば苦痛が伴う……。セックスの問題はやはり相手と自分のテンションの差異によるところが大きい。不倫はご法度だが、生物学的には、パートナーチェンジも現実的な解決策のひとつであることは理解できる。

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