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成功の秘訣は”キムタクドラマ”じゃなかったこと。『A LIFE』最終話レビュー

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『A LIFE~愛しき人~』公式サイトより

『A LIFE~愛しき人~』公式サイトより

 『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)が3月19日に最終回を迎えた。16%と過去最高の視聴率を記録、これは今クールのゴールデンタイムドラマでもトップの記録になっている

 自身の脳腫瘍の手術を元カレの沖田一光(木村拓哉)にお願いしたいと話す壇上深冬(竹内結子)に対し、執刀医として選ばれなかった夫・壇上壮大(浅野忠信)は取り乱す。どうしてカズなんだ。カズになら殺されてもいいってことか。さらに壮大は、深冬の父で壇上記念病院の院長から「この病院から出て行け」と副院長解任を宣告されてしまう。これまで壮大が裏で進めてきた病院乗っ取り計画が、友人の医師・羽村圭吾(及川光博)と愛人の榊原実梨(菜々緒)によってバレてしまったのだ。

 全てを失った壮大。第10話はそこから始まる。

 追いかけてきた沖田に、壮大は語り始める。「俺のことどこかで笑っていたんだろう。誰も俺のことなんて必要としていない。お前に俺の気持ち、わかるか? わからないだろう?」。テストで98点をとれば、「100点じゃなくちゃ意味がない」と叱るような厳しい父に育てられた壮大には心に大きな穴が開いていた。自分は誰にも愛されていない。そんな気持ちは深冬と結婚したいまも続いている。深冬はいまもカズのことを愛しているに違いない、と。

 深冬の手術の準備をしながら、沖田は壮大と羽村にかけられた言葉を反芻する。「お前に俺の気持ち、わかるか?」「沖田先生が来てから、院長は壊れ始めた」。そう、シアトルに追いやった沖田が壇上記念病院に帰ってくるまでは、壮大は順風満帆の生活を送れていたのだ。それだけ壮大にとって、幼馴染の沖田の存在は大きかった。

 沖田が執刀した深冬の手術は、失敗に終わってしまった。3つに分かれた腫瘍のうち、一つの腫瘍が想定よりも奥に行ってしまっていたのだ。脳外科が専門ではない沖田には、神経を傷つけないように腫瘍を取り除く経験が足りなかった。しかしこのまま腫瘍を放置していては、いつまた出血が起きるかわからない。術後の脳の腫れが収まり次第、再手術することになる。

 沖田から一度にすべての腫瘍を摘出できなかったという話を聞かされた深冬だが、自身の手術のことよりも、連絡のとれなくなってしまった壮大のことを気にかけていた。「壮大さんは?」。しかし誰も壮大と連絡はとれていない。「私が壮大さんを追い詰めちゃったのかな。壮大さんにちゃんと伝えられてなかったから。オペのこともね、沖田先生にお願いしたのにはわけがあるの」。

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