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なぜ、男は元カノにメールしてしまうのか? 正解は…

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あわよくばどころか、お願いします。

あわよくばどころか、お願いします。

 誌面のリニューアルから3号目となる11月20日に発売した『an・an 』(マガジンハウス)の特集は「彼の行動、その本音」と題して、一種の男性研究的な内容になっています。かつてこの連載では、女性誌が取り扱うこの手の「男性からの意見」は仮想の男性っぽさがあり、リアル男性からすると現実感にかけ、イマイチではないか、という指摘をしたことがあります。しかし、今回の『an・an』はリアル男性が読んでも「あ〜、なんかわかるかも」と納得感を得られる記事が多かったです。

 まずは「好きなのか嫌いなのかわからない!  恋愛における男の“謎の行動”を分析」という記事を見ていきましょう。ここでは杉作J太郎さん、大井洋一さん(イケメン放送作家)、久野浩司さん(マリッジカウンセラー)の3人が恋愛の場面における男性の行動にコメントしています。「『モテたい』とよく口にする」、「結局男は顔で選ぶんでしょ」、「メールやLINEの返事が遅い」など、とりあげられている「謎の行動」は「え、これって女性からすると謎なんだ」と素直な驚きさえあります。登場する3人の男性は肩書きも年齢もバラバラながら、意見があんまり割れていない、というのは「男は単純でわかりやすい生き物である」という証拠なのでしょうか。

 たとえば「何年も前に別れたのに急に連絡してくるのはどうして?」という質問。これに3人中2人が「あわよくばもう1回ぐらいヤれるんじゃないかと思っているだけ」と答えています。この回答は、その通りでしょう……(しかし、これはグサッと胸に刺さる言葉です。かつての自分の行動を振り返って、『思い出し笑い』ならぬ『思い出し痛い』をしてしまいます。あのコとか、あのコとかに酒飲んだ勢いで『元気?』とかメールしたよなあ……)。大抵の場合、そうした連絡は無視されるか、冷たくされるだけなのに、なぜ、男は元カノにメールしてしまうのか。なぜ「あわよくば」と思ってしまうのか。よく考えてみたら、同じ男でもこれは謎の行動に思われてきました。

 これに対して、男性目線での「女性の謎」も集められています。「ショージキ僕らだってわからない、彼女の行動、その本音。」という記事では「実のない内容のメールや会話」とか「食べたい物を訊くと『(ホントはなんでもよくないのに)なんでもいい』と言う」とか「『女の子のカワイイ』がわからない」とか、女性の謎というか、これって「女の子ってちょっと、めんどくさいよね」と思うポイントですよね。面白いのは、この記事が彼女・妻あり男性の意見と、彼女・妻なし男性の意見とでわかれているところです。前者は、女性に対してめんどくささを感じつつも、なんとかやっていけているのに対して、後者は本気でめんどくさくて、うまくいかないことが多い感じが出ている。もっと言うと後者はモテない感じがでています。

 モテない感じと言っても、問題になるのはスキルの部分と相性の部分があると思います。たとえば、「さっき大きな犬がいたよ〜」など返答に困る感じのメールが女子から送られてきたときに、「かわいいね〜、ちょっと癒された〜。ありがとう」とか適当な返事をする。これはちょっとしたスキルが必要でしょう。「そっかー」とか投げやりな返事しかできないと、女性にとって冷たい人になってしまう。ただ、「なんでもいい」と言われたときに、上手いこと「なにか」に辿り着けるかどうか、は正直相性の問題だと思うんですよね。相性が良ければ「なんでもいい」というニーズも、自然に「なにか」になっているし、すぐに答えが見つかるのでめんどくささも軽くなる。相性が悪ければなかなか「なにか」に辿り着けず、ますますめんどくさくなって悪循環……ということです。この相性問題はいかんともしがたいでしょう。

 男性も女性も互いに異性に対する「謎」がある。そこで、どういう振る舞いがベストなの?  という疑問は誰しも抱くもの。世間にはタイプ別の男性(女性)攻略法・対処法的なアイデアがたくさんありますが、相性問題にひっかかると、人それぞれだし、正解がないのが本当のところかと思われます。また、どちらか一方が頑張って「謎」に取り組もうとすると、めんどくさいし、疲れちゃいますよね。

 ただし、相性さえ良ければ、謎を謎としたままなんとかなってしまうことも多いのです。私はついこのあいだ、結婚から丸3年経過しましたが、妻にはこれまで何度となく「なんでもいい」と言われてきました。しかしそれで極端にめんどくさい思いをした覚えがないです。たぶん、それって相性が良い、ということなんでしょう。長く一緒にいると、趣味・趣向がお互いにすり寄ってくることもあると思いますけれど。

長瀬智也が放つ「大人の男の子」感

 今回の特集で最も感心したのは、TOKIOの長瀬智也さんへのインタビューでした。ここでは、長瀬さんの恋愛観とともに「女性には理解できない男性の趣味」ということで、長瀬さんが入れ込んでいるギターや車・バイク、古着が紹介されています。

 こうした「男性の趣味」問題も男女の関係のなかで話題になりやすいポイントでしょう(私も月に大量のCDと書籍を購入してしまう趣味があるので、妻からやんわり注意されることが多いです)が、これが問題になるときに「女は、男の趣味を全然理解してくれない(からダメだ!)」と主張する男性が見られます。こうした主張は、収集癖であったり、乗り物が好きだったり、男性の趣味は総じて幼児性を残したものが多いことを考えると「ママは、ボクのことをわかってくれない!!」と駄々をこねる子供と一緒なのでは、と思えてきます。男は「いつまでも少年のまま」とでも言えば聞こえは良いですが、めんどくさい存在に違いありません。

 長瀬さんも「ザ・男の子趣味」の持ち主。しかし、長瀬さんは「女性は男の趣味を理解した方が良いのか」と問われて、こんな風に答えています。

「いや、理解してほしいとは思わないですね。話をしても理解できないだろうし、そこは男だけの世界でいいかなって」
「わからないからこそ、リスペクトも生まれるし。そうやって男と女の世界は、わからないものについてはムリに距離を縮める必要はないと思うんです」

 なんという大人な発言。モテ男であることからくる余裕なのかもしれませんが「大人の男の子」的な成熟した意見だと思います。わからない、わかりあえないから対立するのも違うし、どちらか一方がムリに距離を縮めるのは、甘やかしのようなものでしょう(個人的には、男は甘やかすな!  と思う)。しかし「わからないからこそ、リスペクト」には、男女の良い塩梅の距離感があってよろしい。そもそも良い塩梅になるには、また相性が重要なのかもしれませんけれど。

■カエターノ・武野・コインブラ /80年代生まれ。福島県出身。日本のインターネット黎明期より日記サイト・ブログを運営し、とくに有名になることなく、現職(営業系)。本業では、自社商品の販売促進や販売データ分析に従事している。

カエターノ・武野・コインブラ

80年代生まれ。福島県出身のライター。

@CaetanoTCoimbra

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