連載

セックスやエロが好きだと変態なのか、セックス以外の性的なことにハマるのが変態なのか

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Queerライター・コウの「変態読本」

Queerライター・コウの「変態読本」

セックスが好きな人、前戯(ってなんで変換でスンナリ出てこないの)が好きな人、挿入が好きな人、愛撫(はすぐ変換で出てくる)が好きな人、特定の体位が好きな人、特定の身体部位に興奮する、責めるのが好き、受け身が好き、痛めつけるのが好き、痛いのが好き…etc。

それって変わってる? 普通なの? それとも、変態?

私は、フェティッシュイベントやフェティッシュファッション、ストリップやバーレスク、ドラァグクイーンのショー、春画、などといった性にまつわるちょっとキャンプなパフォーマンス・表現やイベントが大好物です。ちなみに、昼間は事務仕事とライター業をしていて、最近ひょんなことからフェティッシュバーで週に数回夜のバイトを始めました。

バーで出会う人たちには、これまで魅了されてきた華やかな「変態文化」とは一味違った、地味でリアルな(褒めてるよ!)変態世界がありました。

これまではもっぱら観客側であった私が、お店の女の子となると、変態(お客)さんからは「どんなプレイが好きなの??」と“性癖”を尋ねられまくります。確かに、考えてみればフェティッシュバーたるもの、「性癖やプレイの話で盛り上がれるのが大前提」的な空間ですものね。

ただ、実は私「変態文化」が好きというだけで、そのことを自分の性癖と結び付けて考えたことはなく、自分のことを変態と言うのは恐れ多いくらいに思っております。ということで、バーでは今のところ、変態の話を楽しそうに聞く“変態じゃない人”ポジション(公言したことはない)でやっている私ですが、お陰様で「変態文化」から始まった興味、今では「変態」そのものについて考える機会も増えたので、より一層探求は進みそうです。そして、その魅力を世にも発信しつつ、記録の意味も兼ねて、messyで書いてみようと思い立った次第であります。

具体的には、古今東西の変態イベント・行事の紹介やレポート、性表現(エロ漫画特有の描写や、性教育の書物に見られる描写、春画など)に関すること、私が勝手気ままに考える変態に関する疑問や考察など、必要に応じて取材をしつつ、展開していけたらと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

初回は、本編に入る前に「変態ってなんだっけ?」を読者のみなさまと改めて考える機会にしたいと思います。

セックスやエロいことが好きだと変態なのか

これは、日常的に(カフェや居酒屋で小耳に挟む近隣席の会話や、メディアの話題から)見聞きする話の中でよく思うことです。変態の定義なんて人それぞれでいいのですが、世の中的に「変態」って言葉、ちょっと気軽に使いすぎじゃないですか?? セックスやエロいことが好きなだけで変態だったら、人類の過半数以上は変態に分類されますよ。本気の変態さんたちに失礼だわ……と思ってしまいますね。

セックス以外の性的なことにハマるのが変態なのか

さて、こちらは悩める(もしくは、かつて悩んだ)変態さんたちの話を聞いていてよく思うことです。確かに、前述の超低ハードル変態よりもずっと「変態」っぽいんですが、別にオッパイ好きな人やお尻好きな人っていっぱいいるでしょ? ○○フェチと言われる人たちとそれらの人たち、何が違うのでしょうか。

アブノーマルなセックスしてたら変態なのか

そして、マンコとチンコで行われないセックスなんかも、変態扱いされがちですが、アナル好きのヘテロセクシュアル男性もいます(もちろん自分のこと変態だと思ってない)し、実は挿入は興味ないけど彼とのセックスが好き(要するに前戯好きということになるのかな)な女性も沢山います。チンコ持ちもマンコ持ちも、チンコなしもマンコなしも、セックスなんて楽しめる人は自由に楽しめばいいじゃない~。

変態の定義って、やっぱり曖昧で、あってないようなものですよね。

で、変態って悪いことなの?

そうそう、重要なのはここからです。私はここで変態の良し悪しを決めようというわけではありません。というか正直そんなの愚門です。ただ、「変態」って、罵り言葉として使われることや、宴会で無神経な輩を喜ばせるために使われるネタとか、そんな印象では勿体ない! ですよ。

あなたは変態じゃないんですか?

おそらく、多くの方が共通して思い描く変態の定義として「何らかの性癖があること」というものがあると思います。では性癖の定義ってなんでしょう?

冒頭に述べたような、比較的想像しやすい「性的な好み」たちは性癖と言えると思いますが、それこそ挙げ始めたらキリがありません。それだけ多種多様な性癖がこの世の中には存在しており、もはや性癖って誰にでもあるでしょ?と私は思っています。

で、何が言いたいかというと

だから、悩める変態さんには言ってあげたい、「変態であること自体には悩まなくていいと思う(その性癖を誰とどのように満たしていくのか、とか具体的に悩もう!)。Let’s start 変態」と。

そして、変態を罵る人たちには言ってあげたい、「あなたの性癖も探せば必ず見つかります。いつでも変態になれますよ。Welcome to 変態」と。

コウ

昼間は事務員/ライター、夜はフェティッシュバー店員。ストリップ・バーレスク・ドラァグクイーン・フェティッシュファッション・春画など、性にまつわるキャンプなカルチャー「変態文化」をこよなく愛す。

twitter:@KOU_queer

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