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3歳まで育てた産みの母は「何も知らないおばさん」…育ての母の強烈な手紙/『母になる』第二話レビュー

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『母になる』公式webサイトより

日テレ水10枠『母になる』。第二話視聴率は初回より0.1ポイント上昇の10.7パーセント(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。一先ず2桁キープしていることが重要、とみなされがちな昨今の連ドラとしては視聴率的には合格ってところでしょうか。二話めは初回よりも視聴率が下がるのが通例とされているので、

天涯孤独の女性・結衣(沢尻エリカ)と、女慣れしていない理系男子・陽一さん(藤木直人)という善人夫婦のベッタベタな馴れ初めから始まって、デキ婚、息子・広の誕生、明るく楽しい幸せ家族生活が存分に描かれてから、3歳の広が誘拐され行方不明になり不幸のどん底……という落差を見せつけた第一話。事件から9年後、離婚して中華料理店で働く結衣の元に、児童相談所の児童福祉司・木野愁平(中島裕翔)から息子が見つかったという知らせが入り、児童養護施設で対面し熱い抱擁を交わすものの、まもなく13歳になる広(道枝駿佑)は妙に冷たい目をしている……一体なぜ?

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慎重さを欠く児童相談所

空白の9年間を経て他人のような距離感になってしまった息子に、母はどう接すればいいのか。どうやって本当の「母」になるのか、その道のりが主に描かれていく本作。再会したからといっていきなり3歳当時のように「ママ大好き!」「コウはママの宝物よ~」なんてやりとりが出来るわけないですからね。第二話冒頭は、アパートにいる結衣と施設にいる広の電話交流シーンでしたが、広はですます調ながら結衣に色々と質問したり、「じゃあ今度」と会う約束したり、よそよそしさはあるものの関係構築に前向きに見えます。広に「電話、うれしかったです! お母さん!」と言われた結衣は感無量。

一方、児童福祉司の木野は当然、広の件で陽一にもコンタクトを取ろうとします。陽一は広の父親なんですからね。ところが事件以来引きこもり中の陽一に会おうとしても、陽一の世話を焼く琴音(高橋メアリージュン)や、陽一の実母(風吹ジュン)、さらには陽一の元上司で大学教授の西原太治(浅野和幸)らに新興宗教呼ばわりされ追い払われてしまい、息子の無事を伝えることができません。えー……? 離婚しているとはいえ、結衣が広の無事を陽一に伝えられる関係性が残っていたら、こんな誤解も起きないんでしょうが。あれほど愛し合っていた夫婦は、今では完全に音信不通です。

とはいえ、なりゆきで陽一も広が見つかったことを知り、木野によって諸事情の説明を受けるのですが、ここが疑問だらけの展開でした。木野は結衣と広のDNA母子鑑定書を提示しせ、一連の流れを説明。

「まったく初めての事案だったので児相は慎重に検討していた、DNA鑑定実施も含めてまずは結衣に話をしたところ、結衣が先走って自ら広の暮らす施設を訪ね、本人と対面した」とのことですが、それは木野及び児相の過失ではないですか。DNA鑑定の結果が出るまで、結衣に施設の名前や住所を教えてはいけなかったんじゃないでしょうか。また当初、児相側は広が誘拐されてからの9年間ずっと施設で暮らしていたのかと思っていたが、実は広が施設に来たのは2年前だったと判明(そんなことすぐわかるだろ)、それまでの7年間についてはまだ調査中なのだそう。この児童相談所、ちょっと杜撰……。

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中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

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