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一人で苦悩する沢尻エリカ、父である男と一緒に親になることはできないの?/『母になる』第四話レビュー

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母になる

『母になる』公式webサイトより

日テレ水10枠『母になる』。第三話では、元夫婦である結衣(沢尻エリカ)と陽一(藤木直人)、9年ぶりに再会した息子・広(道枝駿佑)、親子3人での生活がスタートしたものの、広が慕っているのは生みの母・結衣より育ての母・麻子(小池栄子)であることがアリアリとわかる、ある意味で残酷な描写が続きました。しかし3人が暮らす柏崎オートをわざわざ訪ねてきた麻子は、広を拒絶……。大人の都合に振り回される広への同情を禁じ得ませんでした。

【試写レポート】テレビドラマにおける母親という存在の描かれ方
【第一話】沢尻エリカ演じるベタベタ清純派の良妻賢母が宿した小さなリアリティ
【第二話】3歳まで育てた産みの母は「何も知らないおばさん」…育ての母の強烈な手紙
【第三話】育ての母の態度急変!親たちに振り回される不憫な息子

麻子は麻子でまだ事情を隠していることが伺えますが、それはさておき第四話では、いよいよ結衣が広との母子関係の危機に直面します。結衣は朝からキッチンに立ち、広が学校に持っていくお弁当を作るんですが(髪アップ、エプロン、ロングスカート姿ですよ……いかにもナチュラルで料理上手な奥さんのスタイリング)、受け取った広の反応は素っ気ない……というかよそよそしい。そもそも、これまで広が結衣に明るく接していたのは麻子ママの指示があったから、つまり麻子と広の絆によって成り立っていた事象です。しかしそうやって麻子ママの指示に忠実に行動していたのにもかかわらず、大好きな麻子ママに捨てられた広は大ショックを受け、結衣に冷たくなりました。素を見せたともいえますが。ただし、広は陽一に対しては、それなりに明るく接しています。

さらに、広が転校した中学校に保護者として出向いた結衣は、広が保護者会のプリントを自分に渡していないと知りました。軽薄そうな担任教師はこんなふうに言います(この教師ちょっとヤバいんじゃないか)。

「はいはいはい、柏崎広くん、ご心配なく。何の問題もありません! そりゃまだ多少は、クラスの中で浮いているようなところは見受けられますけど、転入早々すぐに馴染むほうがおかしな話で。難しい年頃ですからね~。それよりも、問題はお母さん! どうして保護者会にお見えにならなかったんですか~? 広くんのことがご心配なら保護者会やPTA総会などご出席されたらよかったのに。プリント、お渡ししたでしょ? お知らせの紙。受けとってないんですか? 広くんはお母さんにちゃんと渡してるって言ってましたよ。お渡しした中にランチ会のお知らせがあるんです。学級委員のお母さんが幹事で急かされてるんですよ。出欠を書いて、早急に提出していただけますか?」

悲しさ・悔しさがないまぜになって、結衣はとりあえずプリントを探すため広の部屋を「家捜し」。結衣がショックを受けるのはわかりますが、だからといって広に無断で部屋をチェックするのはヤバイ、やっちゃいかんでしょ。リュックの中身はプリントではなく、広を施設に預ける際に麻子が渡した例の手紙、フレームに納まった広と麻子ママの2ショット写真×3で、結衣が顔を曇らせているところに広が帰宅です。ほらバレた。広は抗議しないものの、明らかに不快な表情。そりゃそうだ。ランチ会のお知らせを探していたのだと、結衣は謝るんですけどね、こういうのって謝られても遅くないですか?

結衣、広が朝持たせたお弁当を食べていないことにも気づき(箱は空っぽだけど箸が汚れていない)、いよいよ不穏な空気が濃厚に漂ったところで2階から派手に物が割れる音が響きました。広の部屋に駆けつけると、広がフォトフレームを叩き壊した後でした。「どうしてこんなこと……」と困惑する結衣に、広は「俺、施設に戻りたい」。呆然とする結衣は何も返せませんでした。広は広で、勇気を出して正直に言ったんだと思いますけどね。爆弾発言したにも関わらず、広は陽一及び陽一の母・里恵(風吹ジュン)には明るく接します。ちなみに、かつて里恵が切り盛りしていた柏崎オートが営業再開することになり、陽一もそこで働くようです。かつて大学准教授だった陽一さん、人工知能の研究に未練はないのでしょうか。

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中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

バナナ&ストロベリー

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