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彼氏持ちの女と寝る「ヤッてるぜ自慢」! 男子会で盛り上がるエグい話

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こんな男ならいらな~い。Photo by Yerevan News from Flickr

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 毀誉褒貶がありつつも「女子会」という言葉が世に定着し、長いこと経過した気がします(流行語大賞で取り上げられたのは2010年とのこと)が、「その対義語は『男子会』なのか?」と問われると、ピンときません。女子会は一般的な言葉なのに、男子会はそうではないことは、男女の性関係が非対称であることを如実に示しているようです。

 しかし、女性だけで集まって、下ネタや愚痴、恋愛の話で盛り上がる、という女子会のイメージと近い行動を男性がとらないわけではありません。実態として男子会的なものは存在しますし、そこで話されている内容は、もしかしたら女子会よりもえげつないかもしれません。今回は、男子会でなにが話されているか、についてお話しましょう。

 まず女子会と男子会の違いについて、私自身の思うところを述べておきます。たとえば、私は妻から「今日会社の女の子と飲み会だったんだけど、毎回めんどくさい女の子がいてさ~」などという話を聞くことがあります。男性からすると「なんでそんなコと毎回飲みにいくの?  仲良いコたちだけで飲みにいけば良いじゃん」と思うものですが、妻いわく「そのめんどくさい女の子とも仲が悪いわけではない」という話で、女性は話に付き合うのをめんどくさく感じる相手とでも、一緒に飲み屋に行くことを露骨に拒否することはあまりないのかもしれません。一方、男子会は「アイツ、空気読めないよね~」「めんどくさいよねー」的な人は、あらかじめ排除されていることが多いと思います。要は「話が通じる人間だけで集っている」ということですね。

 「女子会」を批判する男性側の弁として、「よく不毛な話をずっと続けられるよね」というものがありますけれど、こうした意見も、「男性は話が通じる人間ばかりを相手にしている」ところからくるのかもしれません。つまりそこには「話がよく通じていること」=「俺たちは不毛ではなく有意義な話をしている」という価値観がある。フットサルを趣味としている男性たちが、ずーっとヨーロッパのサッカー選手の話をしている光景を例に挙げてみましょう。たぶん本人たちはすごく有意義だと思っているハズですが、同じ男性でもまったくサッカーに興味がない私からすると、それだって不毛だよ、つまんねーよ。しかし、私はサッカーに興味がないので、その会にはそもそも呼ばれていない。こういうことを考えていると、男性の集まりの閉鎖性というか、ホモソーシャルな感じは必然的だと思い至りますね。「話が通じる人間」=「自分と似ている人間」でもありますから、他人を相手にしている、というよりも、「自分っぽい他人」を相手にしているわけで、なんだかナルシシズムも入った気持ち悪さも感じます。

 などと「男子会」に批判的になりつつ、私も読書や音楽が好きな人間と集まって、あーでもないこーでもないと飲みながら話す機会をたびたび設けています(同じ趣味をもっている集まりだと、一種の情報交換会的なところがあるのです)。けれども、その場の会話が、一貫して趣味の話に終始しているわけではありません。「女性の会話は脈絡がないから困る」という男性は多いかもしれませんが、男性の会話だって負けず劣らず脈絡がないと思いますよ(話が通じる人としか話してないから脈絡があるように思われるだけで)。マクロ経済学の話をしていた次の瞬間「そういえば、こないだ酔っぱらって終電を無くして、初めて個室ビデオの店に泊まってさ……」という話になっていることが現実としてありますから。

 なお、女性の読者の方向けに個室ビデオのお店について解説しておくと、これは漫画喫茶のアダルト版と考えていただくと良いと思います(ただし、ドリンク・バーはなし)。店に入ると何本か好きなDVDを借りることができ、ティッシュ完備の個室で、時間内ヌキ放題、というシステムになっています。しかし、DVDを好きなだけ借りても、ヌケる回数には限りがあるわけです。終電をなくして個室ビデオのお店に泊まる場合、大抵泥酔していますから、一度ヌイてしまうとそのまま朝まで寝てしまうケースも……。そこを頑張って3回抜いた(意識朦朧としながら)、などという話が男性同士で話しているとバカ笑いするポイントになります。

 話を「男子会」に戻しましょう。女性読者の皆様でも、男性が飲み屋で下ネタを話している姿は、容易に想像がつくところかもしれません。ただ、恋愛の話をしている姿は、イメージしづらいのではないでしょうか? 実際に「え、男同士で恋愛の話ってするの!?」と驚かれたことがありますが、実は男同士で恋愛の話をすることもあるのです。しかし、それは女性が恋愛相談をするような形ではなく「今、こんな女と付き合っているんだ」とか「もう少しであの女の子と付き合えそうなんだ」とか「あの女と実はこないだ夜を共にしたんだ」とか、ヤッてるぜ自慢的なものが多いように思います。先日Twitter上で【今日会社の先輩(男)が「女の子の恋愛は上書き保存だもんね」と言うので、「違いますよ、別名保存の上で古いフォルダは共有ファイルに移動、女子会で開いてますよ」と教えてあげたら、ちょっとショックを受けてたよ】という投稿を見ましたが、実はほとんど同じことを男性も行っています。

 もっともすべての女性が過去の恋愛を共有ファイルに移動して女子会で披露しているわけではないでしょうし、すべての男性がヤッてるぜ自慢をしているわけでもないでしょう。しかし、男性が恋愛の話を始めるとき、それがマジに今悩んでいて相談したい、というものでなければ(繰り返しになりますが)これは他の男に対しての自慢です。たとえば「最近、彼氏持ちの女の子と定期的にヤッてるんですよ」という報告を男友達にするときの彼の顔は、どんなに落ちついたトーンで話していても、鼻の穴がピクピク動いたりしてドヤ顔になってしまっている。おまけに、その話は「女の子の彼氏(つまり彼女に浮気されている男)」への優越感の誇示でもあるようです。精神分析的に言ってしまえば、ヤッてるぜ自慢はそのまま「俺のチンコ自慢」と読み解くことができるかもしれません。男性は、ヤッてるぜ、という誇示によって、象徴的なチンコを大きくし、それを見せびらかしているのです。

 女子会における下世話な恋愛トークと、男子会における下世話な恋愛トークの大きな違いは、ここにあるような気がします(なかにはヤッてるぜ自慢をする女性もいるかもしれませんが)。女子会における下世話な恋愛トークは、男性のヤッてるぜ自慢の反対で、去勢的な意味合いを持っている、と言えるのではないでしょうか。たとえば「絶対自分のことカッコ良いと勘違いしてる男に、こないだ……(略)されてさ〜。笑うよね~」「超ウケる~」という会話があったとしましょう。この時、その場にいないある男性が笑い者にされ、象徴的なチンコの大きさが奪われてしまうのです。先に紹介したTweetで、「会社の先輩」がショックを受けた、というのも去勢恐怖と解釈すれば合点がいくでしょう。女子会をdisる男性は「女性なのに下品だ」という道徳観を持ち出す傾向があるように思いますが、実のところ、自分のチンコが小さくなってしまうのを恐れているだけなのかもしれません。

■カエターノ・武野・コインブラ /80年代生まれ。福島県出身。日本のインターネット黎明期より日記サイト・ブログを運営し、とくに有名になることなく、現職(営業系)。本業では、自社商品の販売促進や販売データ分析に従事している。

カエターノ・武野・コインブラ

80年代生まれ。福島県出身のライター。

@CaetanoTCoimbra

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