続く<「結婚は人生の墓場だ」は嫁次第? 男性に結婚を後悔させた「嫁の言動」>なるトピックは、大袈裟に煽りすぎではないか。先の質問で「結婚は人生の墓場だ」と答えた既婚男性の約1/4多くは、その原因は妻にあると考えているそうだ。ただ、そもそも「結婚は人生の墓場」と思っている既婚男性は2割(つまり約20人)→さらに原因は妻だと考えるのはそのうち1/4(5人)。とすれば突出して多い数字ではない。
そのわずかな男性いわく、結婚生活が残念な理由は
・時間もお金も妻の管理下にあるから
・態度に遠慮がなくなったから
・不機嫌になることが多いから
・家事ができないから
というものだった。
これは「嫁次第」と言えるものだろうか……? 回答した夫の妻も、夫の態度に不満を持ち「結婚は人生の墓場」と思っているかもわからない。だが、記事の解説は<多くの男性は「妻の態度」に対して不満を抱えている><夫婦円満のためには「気遣い」は欠かせない><「いってらっしゃい」「おかえり」と、笑顔で出迎えてあげるだけでも、男性の考えが変わりそうです>と、煽るのである。夫は妻に「いってきます」「ただいま」と笑顔で言わなくてもいいのか? 脱いだ靴下の裏返しを直して洗濯機に入れる「気遣い」をしなくていいのか? 本当に嫁次第なのか?
最後に<女性必読!>として独身女性、既婚女性それぞれに向け、男女心理に詳しい専門家から「夫にそんなふうに思われないため」のアドバイスがなされているのだが、どれもこれも女性(妻)だけが頑張ったって仕方ない。そもそも、片方が下手に出ることで他方の思考を「結婚isハッピー」に転換できたとして、下手に出た側はハッピーだろうか。
独身女性に対しては、<ちょっとしたことを不満に思って男性に注意>していると<「人生がコントロールされそうで嫌だ」と思われます>とあるが、ちょっとしたことだからといって不満を言わずに溜め込んでしまうと、入籍後に積もり積もって爆発して大トラブルに発展するリスクもあるだろう。<結婚したら家庭に入りたいと思っていても、それを彼に伝えるのは止めましょう>ともあるが、これも後々のトラブルの火種になりかねないアド(クソ)バイスだ。というか、結婚後に妻が「実は仕事辞めたいんだよねー」と言い出すほうが反則だし、夫は騙し討ちに遭ったと怒りを感じるのではないのか?
既婚女性に対しては、ただひたすらに寛容の精神を持つよう促す。<夫に「結婚=墓場」だと思われないためには、「夫の幸せを作る」ようにしましょう><具体的には夫のやりたいことを応援し、癒しを与える人になりましょう><応援することで、夫は「自分は自由にさせて貰っている」と感じ、結婚を肯定する気持が強くなります><癒しを与えることも忘れずに>。これは、コミュニケーションを意図的に放棄させようとしているのだろうか。夫に対する不満や不安を押し殺して続ける夫婦生活は幸せだろうか? 維持するに値するものだろうか? 自分の本音を隠して夫の幸せを作り続ける結婚生活こそ「人生の墓場」じゃないのか?
思いやりと気遣いの行動は確かに大切だ。夫婦どちらにも求められるべきことだ。だからこそ「嫁次第」と煽るのは違う。では「夫の幸せを作る」努力をする妻はどんな時に「結婚してよかったなあ」と思うのか、そっちも調査してほしい。
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