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「“女性として”認められるためにカネを使え」って脅しでモノ売るのやめませんか/『人は見た目が100パーセント』第六話レビュー

【この記事のキーワード】
人は見た目が100パーセント

『人は見た目が100パーセント』公式サイトより

『人は見た目が100パーセント』(フジテレビ系)第六話、実は先週からブルゾンちえみさんも恋に落ちてまして、恋愛要素濃いめになっています。あと、withBも出てきました。

【第一話】「呪い」を強化し、女性をバカにしているようにしか見えなかった
【第二話】このクソ「セクハラ」ドラマを垂れ流していいんでしょうか?
【第三話】“女性視聴者に必要なモノ”を狙った結果、完全にスベッている
【第四話】狭すぎる女子定義、知ってる情報しか流れてこない
【第五話】女子モドキを卑屈にさせるのはキラキラ女子ではなく「正しい女の在り方」を決めてかかる社会ではないか

ジェラピケ特集

八王子の製糸研究所に勤めていた3人の研究職女性・城之内純(桐谷美玲)、前田満子(水川あさみ)、佐藤聖良(ブルゾンちえみ)は、保湿効果が高く新たなファンデーション開発の要となる貴重な繊維素材「セルロースナノファイバー」の開発が認められ、丸の内にある大手化粧品メーカー「クレエラジャパン」に研究室ごと異動しました。

しかし同社は「セルロースナノファイバー」の開発成果を奪い取りたかっただけで、3人は異動してきた途端“戦力外通告”を受けます。オシャレや流行に無頓着で美意識の低い純たちは戦力どころかほぼ人間扱いされていません。クビにはなりたくないので同社の“過酷な掟”に従うべく、彼女たちは女子力研究に精を出すのでした。そんな中で純は、会社と同じ敷地内にある人気美容室ルーチェのトップスタイリスト・榊(成田凌)に恋。奥手すぎてあたふたしまくり、六話冒頭では道端で榊さんに遭遇して動揺したためガラスに激突、なぜかセレブ御用達の病院に2~3日検査入院することになってしまいました。

オシャレな人たちしかいない(それがオシャレかどうかは主観でしかないと思うのですけど)ので、ダサい自分が恥ずかしくてトイレにも行けない純。オシャレと金持ちは全然違うと思いますが……イケてるのと金持ちなのも全然違うし……麻布十番や青山がオシャレって感覚も……ツッコむのも疲れますね。さらに、榊さんが病室へお見舞いにきてくれるというので、オシャレでかわいいルームウェアを用意しなければっ、と奮闘。六話はそんな感じです。

テロテロしてるし短パンなのに値段は妙に高い部屋着に納得いかない満子や聖良。毎回のことですが、彼女たちは自分が快適に過ごすためじゃなくて他人に認められるためのオシャレやビューティーを研究しているのだから、なんとなく納得いかないのは当然なんですよね。それでも「ふわふわでキモチイイし男ウケもいい」と評判(だとキラキラ女子が説明)のジェラートピケのルームウェアを購入しようと決意……するも、ピーチジョンよりもっと高いジェラピケにおののいて購入断念。こんな高い部屋着じゃくつろげない! と似たような安物商品(パチモン)のECサイトに移動するのですが、いやいやでもね、イケてる男子には安物だってバレてダサ~いって引かれちゃうよ? の脅しが入って改心、ついにジェラピケ購入。なんなのこの一連のやりとり。めんどくせえ。とりあえずジェラピケ売りたいの? もちろんジェラピケのパーカと短パンを身につけた純は、セレブな入院患者たちにホメられました。他人の服装にいちいち口出すなや。

カネがなかったら脅されても買えないよ

何にいくらお金を使うかの配分なんて人それぞれ違うしそれこそ個人の価値観じゃないですか。純と満子と聖良は、ブランドバッグもジェラピケ商品も、「高い~~~~!」と仰天して、「そんな高いバッグ普段から持ち歩けない」「そんな高い部屋着で指についたポテチのあぶら拭けない」と叫びます。それならそれでいいじゃないですか? 逆に、キラキラ素敵女子代表キャラである総務課女子たち、よくそんなにお金ありますよね。ルームウェア問題が一段落したら脱毛問題が勃発、いろんな脱毛グッズを買い込んでああでもないこうでもない。ただレーザー脱毛は綺麗になるけど時間もお金も果てしなくかかるのでイヤだ……と、また堂々巡りです。延々同じことやってますよね。

「若者の●●離れ」ってよく言いますけど、それ全部「お金がないから」ですからね。無限にカネがあればね、洋服も車も家も買うし、外食もめっちゃするし、旅行も行くんじゃないですかね。何万もかかる美容院にも定期的に行ったりね。でも実際には月収は限られているわけで、その中で全部なんて到底できませんから、みんな自分で優先順位をつけて消費しているわけじゃないですか。全部やろうとしたら破産でしょ。何より手取り20万以下とかその程度の収入しかなかったら、テレビや雑誌で大々的に宣伝されてるモノなんて大抵買えないですよ(食料品はともかく)。

スマホ料金はそりゃもう家賃と同じ必要経費だからまず払うし、必要経費を除いた残りを外食や交際費、被服費、美容費、旅行用の積み立て、ジム利用、オタグッズ購入、オタクとしての遠征費、永久脱毛、とかいろいろあてるわけですよね。どの費目にいくら使うかはそれぞれ。食費を削って地方遠征したい人もいるし食費を削ってアホほど洋服買い込みたい人もいるし食費を削ってデパートコスメ買い込む沼の人もいるし……まあ大抵は食費を削るんですけど、逆に服は全部数百円のモノで着まわして外食に全力投球するグルメオタクもいるでしょうね。

もともと洋服や美容にさほど興味がなくて、そこにお金をかけることに違和感を覚えている満子や聖良に、社員として、いや“女性として”認められるためにカネを使えっていうのは絶対的にズレてます。前回も書きましたが、問題視されたルミネCMなり資生堂CMなりが孕んでいたメッセージと同じ。そんな売り方で買う気になれません。脅しに屈しないぞ。

それはそれとして、ブルゾンちえみさんは魅力的な演技をしますね。実生活では普通にモテる女性だと思うんですけど、今回、すごくダサくてモテない役柄をあてられているのが日本的だしフジテレビだなって思います。

(ドラマ班:下戸)

【第一話】「呪い」を強化し、女性をバカにしているようにしか見えなかった
【第二話】このクソ「セクハラ」ドラマを垂れ流していいんでしょうか?
【第三話】“女性視聴者に必要なモノ”を狙った結果、完全にスベッている
【第四話】狭すぎる女子定義、知ってる情報しか流れてこない
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